腎癌 Minds版やさしい解説

どんな治療をするの?


腎がんの治療の中心は、腎臓を摘出する手術療法です。
手術が難しい場合や転移している場合などには、放射線療法や薬物療法が検討されます。


◆手術療法

手術療法には次の2つの方法があります。
リンパ節や副腎(ふくじん)に転移している場合は、必要に応じてそれらを切除することもあります。

表4・腎がんの摘出手術
がんとその周囲を切除し、がんが及んでいない部分は温存する
がんが小さい場合に適用となる
がんがある方の腎臓とその周囲の脂肪組織を摘出する
腎臓は2つあるので、もう一方の腎臓の機能が正常なら、ひとつを摘出しても日常生活に支障はない

腎摘除術には、おなかを切り開いて手術を行う開腹術と、おなかに小さな穴をあけて、そこから内視鏡などの医療器具を入れて行う腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術という2つの方法があります。
どちらの方法も安全性や再発する可能性については、ほとんどかわらないとされています。
腹腔鏡下手術のほうが出血量は少なく、術後の回復が早いという報告もあります。


◆放射線療法

腎がんが、ほかの臓器や部位に転移しているときに患部へエネルギーの強い放射線をあてて、がん細胞にダメージを与える方法です。
痛みが強いときや、手術療法ができない場合などに行われます。


◆薬物療法

腎がんの治療では、がん細胞を攻撃する免疫のはたらきを高める治療薬を注射する免疫療法と呼ばれる治療が行われます。
進行しているがんにはインターフェロンα、インターロイキン2の効果が期待できますが、副作用がみられることがあります。


角1 角2
 
<免疫療法のおもな副作用>

 
熱が出る
体がだるくなる
食欲が低下する
角3 角4
薬物療法イメージ


近年では、がん細胞だけを攻撃して、その他の細胞は攻撃しない分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)が腎がんの治療に有効とされ、これまでの抗がん剤と比べて副作用が少ないといわれていますが、分子標的薬に特有な副作用もあります。

◆対症療法・緩和ケア

がんを切り取る手術が難しいとき、またほかの臓器や全身にがんが広がっているときには、からだに負担のかかる手術や抗がん剤による治療ではなく、患者さんの生活の質を重視した治療を行います。
なかでも激しい痛みは患者さんの生活の質を大きく低下させるため、痛みをコントロールすることはとても大切です。
痛み止めとして、鎮痛剤や医療用麻薬が使われます。
これらは、適切に用いれば薬物依存になることはありません。
むしろ痛みがなくなることで、よく眠れる、食事ができるなど生活の質を高める効果があることが分かっています。


角1 角2
 
<患者さんの生活を重視した治療>

 
身体的、精神的な負担を取り除くために、鎮痛剤や医療用麻薬を使う
神経の通り道に注射をして、痛みをやわらげる
 
角3 角4


◆セカンドオピニオン

主治医とは別の医師に自分の病状について説明・確認し、治療方針について意見を求めることを「セカンド・オピニオンを求める」といいます。

角1 角2
     
セカンド・オピニオンイメージ 自分が受けた診断内容や治療方法に疑問や不安を感じる場合、十分納得したうえで、自分のライフスタイルに合った治療方法を選択するために、主治医以外の医師から意見を聞くことが、役立つ場合もあるでしょう。
 
角3 角4


 

 
 
 
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