妊娠出産 Minds版ガイドライン解説

  • 推奨の強さ C :妊産婦の満足度を高めるためには、医療従事者は相手を尊重し、思いやりのある態度で接する。妊娠、分娩の経過の説明を行う場合や医療的処置、ケアについてのインフォームド・コンセントを行う場合は、専門用語を使用せずに、相手の理解を確認しながら行う。また処置やケアなど自己決定できる十分な情報を提供し、妊産婦が自己決定したことを支持するように配慮する。
  • 推奨の強さ C :妊産婦・家族とコミュニケーションを行う場合、相手が返しやすい言葉注1)や沈黙の保持注2)を使用するとよい。医療従事者はコミュニケーションを常に意識し、さらにコミュニケーションスキルを高める努力、特にノンバーバルコミュニケーション注3)の技術を磨くことが重要である。
  • 推奨の強さ C分娩の結果が悪かった場合、母親・家族に状況を説明し、母親・家族と接触させる機会を持つように心がける。医療従事者が母親・家族へ説明を行う時は、専門用語を使っての説明、一度に多くの情報を話すことは避け、後日に説明の機会を設けるなどの配慮が必要である。そして医療従事者は母親・家族に、寄り添う態度を示し、見守りながら、タイミングを見計らって、継続してコミュニケーションをとるようにすべきである。さらに、退院後に医療従事者と連絡がとれるように窓口を作ることが望ましい。


  • 注1)相手が返しやすい言葉:開かれた質問[オープンクエスチョン]のことであり、疑問詞[いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように]を使用して相手が自由に答えられるように質問をする。
  • 注2)沈黙の保持:相手が自分の発言や考えを自己評価して、新しい考えを探しているときに生じる沈黙の場合は、その時間を静かに優しい態度で相手の目を見ながら次の発言を待っていることを態度で示す。
  • 注3)ノンバーバルコミュニケーション:非言語的コミュニケーションのことであり、表情、眼差し、手振り、態度、声の抑揚・語調、スピードなどが含まれる。

ガイドライン作成委員より皆様へ
お産の満足度と最も関係が深いのが医療者とのコミュニケーションです。医療者、特に産科医は医師不足で時間的余裕があまりありませんが、医療チームで何でも聞きやすい雰囲気をつくり、誠意を持って対応しようと日頃から努力しています。そのため、分からないことや疑問はできるだけその場で質問し、納得した上で安心して帰宅しましょう。その積み重ねが信頼関係をつくり、満足なお産につながります。
 


医学用語解説
分娩
(ぶんべん)
母親のおなかの中から、赤ちゃんが生まれてくることです。一般には出産ともいいます。分娩は第1期から第3期までに分けられ、規則的な陣痛が始まってから子宮の出口が完全に広がるまでが第1期、赤ちゃんが生まれるまでが第2期、赤ちゃんが生まれた後に胎盤が出てくるまでが第3期です。
医療的処置
(いりょうてきしょち)
産婦が安全に出産できるようにするため、医療者が行う処置のことです。一般的に出産時には、薬やブドウ糖の点滴、分娩観察装置を用いた赤ちゃんの心音や陣痛の観察、腟の出口をはさみで切って広げる会陰切開、緊急時の帝王切開などが医療的処置として行われます。
インフォームド・コンセント 治療や処置を行う前に、その目的や内容、利点や危険性について十分に説明し、妊婦や家族が理解した上で、その治療や処置に対して同意を得ることです。
コミュニケーションスキル 医療者が患者や妊婦に、どのような治療や処置を行うのかについて、分かりやすく説明するための技量や方法のことです。医師は、治療や処置の目的や方法、利点や危険性を患者や妊婦に十分理解してもらえるように、難しい医学用語を用いずに、分かりやすい言葉を使って説明するなど、コミュニケーションスキルを高めることが重要です。また、出産前からしっかりとコミュニケーションを取ることで、信頼関係を築くこともできます。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく「快適な妊娠出産のためのガイドライン」  RQ6
 
 
 
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