妊娠出産 Minds版ガイドライン解説


ガイドライン作成委員より皆様へ
夫や家族が立ち会ったお産では満足感が高く、産痛緩和、早期母子接触や早期授乳などが多く、医療介入が少ない傾向があります。しかし、異常が生じた場合には、このようなお産を提供しにくい状況になります。お産する女性と夫や家族が希望すれば、陣痛室での付き添いやお産の立ち会いを受け入れてくれる施設は、安楽で満足な出産環境の目安となると考えられます。
 


医学用語解説
分娩期
(ぶんべんき)
規則的な陣痛が始まってから、赤ちゃんが母親のおなかの中から生まれ、その後に胎盤が出てくるまでの期間のことです。分娩期は第1〜3期に分かれ、子宮の出口が完全に開くまでが第1期、子宮の出口が開いてから赤ちゃんが生まれるまでが第2期、その後に胎盤が出てくるまでが第3期になります。
立ち会い分娩
(たちあいぶんべん)
出産に夫や家族などが立ち会うことです。立ち会う人は妊娠や出産のことを正しく理解し、産婦が安心して赤ちゃんを産めるように手を握ったり、痛みを和らげるマッサージをしたり、出産をサポートすることが大切です。一方産婦は、付き添いがいることで精神的にも安心できるといったメリットがあります。
産痛緩和
(さんつうかんわ)
赤ちゃんを産むときに下腹部や腰などが痛むことを産痛といい、その痛みを和らげることを産痛緩和といいます。産痛の強さは個人差が大きく、また、神経質な人や不安や緊張感の強い人は強い痛みを感じる傾向があります。
早期接触
(そうきせっしょく)
出生直後から、母子が素肌で触れ合うことです。赤ちゃんの体温低下を防いだり、母子の絆を深めることができると考えられています。カンガルーケアとも呼ばれます。
母子接触
(ぼしせっしょく)
赤ちゃんと母親が素肌で触れ合うことです。特に、出産直後に素肌と素肌で直接触れ合うことで、赤ちゃんの体温低下を防いだり、母子の絆を深めることができると考えられます。
早期授乳
(そうきじゅにゅう)
生まれて直ぐに赤ちゃんにおっぱいを吸わせることです。赤ちゃんを産んでから最初に出る初乳には、赤ちゃんを病気から守る免疫の成分が含まれています。その後、母乳の分泌が高まるとも考えられています。そのため、生まれてすぐにおっぱいをあげることは、赤ちゃんが健康に成長していくために大切なことです。
鎮痛薬
(ちんつうやく)
痛みを和らげる薬のことです。出産時に激しい痛みを伴う場合には鎮痛薬を使用することがあります。
医療介入
(いりょうかいにゅう)
病気の治療を目的に薬を投与したり、外科的な処置を行ったりすることを医療介入といいます。出産時にも母子の健康を守るために医療介入を行うことがあります。ここでは出産時の痛みが激しいときに、鎮痛薬を投与するなどの医療行為のことを指します。
母乳哺育率
(ぼにゅうほいくりつ)
母乳栄養で赤ちゃんを育てている母親がどのくらいの割合を占めるかを数値で表したものです。母乳には赤ちゃんが成長するための栄養素がバランス良く含まれているため、母乳哺育率を高めることで、赤ちゃんの正常な発育を促すことができます。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく「快適な妊娠出産のためのガイドライン」  RQ2
 
 
 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す