急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

膵管胆道合流異常に伴う急性胆管炎は術前と術後とでは成因が異なる。
術後胆管炎の合併率は高率であり、初回切除時の工夫が試みられている。

ガイドライン作成委員より患者さんへ
生まれつき胆管が膨らんでいる場合や、膵管と胆管に生まれつきの異常がある場合は、胆道がんができやすく、胆管炎が起こりやすくなるため、手術を受けることが多いです。これらの生まれつきの胆道異常で起こる急性胆管炎は、手術のあとも起こりやすいので、特に工夫して手術を行うようにしています。詳しくは、主治医とよく相談してください。
 


医学用語解説
先天性総胆管拡張症
(せんてんせいそうたんかんかくちょうしょう)
生まれつき、胆管が袋状に拡張している病気のことです。胆道造影、CT、MRIなどの検査により診断されます。
膵管胆道合流異常
(すいかんたんどうごうりゅういじょう)
膵臓内に伸びる膵管と、胆道の合流地点に、生まれつき異常がある病気のことです。本来、膵管と胆道は十二指腸で合流しますが、それより手前でつながってしまうことがあります。すると、本来、混ざり合うことがない膵液が胆道に流れ込んだりする現象が起こり、胆管炎や膵炎などの病気を引き起こすことがあります。
急性胆管炎
(きゅうせいたんかんえん)
胆管の中に胆石が詰まるなどして、胆汁の流れが滞り、胆管内に胆汁があふれると、痛みが起こります。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなることで痛みが治まることもありますが、そのまま胆汁の流れが滞っていると、腸内の細菌などが逆流し、細菌感染を引き起こします。これを急性胆管炎といいます。
術後胆管炎
(じゅつごたんかんえん)
手術後に胆管が狭くなり、胆汁の流れが滞り、細菌が増えて炎症が起こる場合や、手術後に腸液や消化液が胆管内に逆流し、細菌が増殖した場合、または、手術の方法によって胆管の中に泥が貯留したり、よどんだりして炎症が起こることです。例として、膵管胆道合流異常という病気の治療のため手術を行った結果、胆管と腸をつなぎ合わせた部分が狭くなったり、もともと肝臓内にある胆汁の通り道が狭かったりすることが原因で胆管炎が起こることがあります。膵管胆道合流異常とは、生まれつき胆管と膵管との合流位置が、十二指腸から離れた場所にある病気です。


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(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q126 先天性総胆管拡張症や膵管胆道合流異常に伴う急性胆管炎の特徴は?
 
 
 
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