急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

肝門部またはその上流での閉塞:経皮経肝的胆管ドレナージ推奨度B
中下部胆管閉塞内視鏡的ドレナージ経皮経肝的胆管ドレナージのいずれを選択するかは個々の症例や施設で考慮する。[推奨度B

ガイドライン作成委員より患者さんへ
膵がんや胆道がんによって胆管が狭くなり、急性胆管炎が起こる場合があります。基本治療方法は、がん以外の急性胆管炎の場合と同じように細菌の増えた胆汁や膿を胆管から流し出すドレナージ[排膿]です[詳しいことは、Q37、38、39もご覧ください]。
1. 肝臓の入り口や、その上流の肝臓側に狭い場所がある場合→皮膚を刺して肝臓内の胆管に管を入れる方法
2. 胆管の下流である十二指腸側に狭い場所がある場合→内視鏡で行うか皮膚を刺して管を入れる方法
のどちらかを行います。主治医の説明を聞き、よく相談してください。
 


医学用語解説
急性胆管炎
(きゅうせいたんかんえん)
胆管の中に胆石が詰まるなどして、胆汁の流れが滞り、胆管内に胆汁があふれると、痛みが起こります。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなることで痛みが治まることもありますが、そのまま胆汁の流れが滞っていると、腸内の細菌などが逆流し、細菌感染を引き起こします。これを急性胆管炎といいます。
肝門部
(かんもんぶ)
肝臓の中央下にあり、胆管を始め肝動脈や門脈、神経などの出入り口になっている部分のことです。膵臓や胆道にがんができると、この出入り口がふさがれてしまうことがあります。
経皮経肝的胆管ドレナージ
(けいひけいかんてきたんかんドレナージ)
ドレナージという細いチューブを胆管内に挿入して、溜まった胆汁を排出させる方法のことです。超音波画像を見ながら胆管の状態を確認し、皮膚の上から針を刺して肝臓を通して胆管内にチューブを挿入します。
中下部胆管閉塞
(ちゅうかぶたんかんへいそく)
胆管の真ん中よりも下流に当たる部分に胆石やがんが発生して、胆管が詰まってしまう状態のことです。胆管は肝臓から膵臓へと抜け、十二指腸に合流します。真ん中よりも下流に当たるところにがんができた場合は、内視鏡を使ったり、皮膚の上から針を刺して胆管にチューブを通し、胆汁を排出したりする治療を行います。
内視鏡的ドレナージ
(ないしきょうてきドレナージ)
鼻や口から内視鏡を使ってカテーテルというチューブや、ステントという管を胆管内に挿入し、胆管に詰まった胆汁を十二指腸へ排出させる方法のことです。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q122 膵胆道悪性腫瘍に伴う急性胆管炎におけるドレナージ法の選択は?
 
 
 
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