急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

無石胆嚢炎でも急性胆嚢炎の診断に腹部エコーCTが有用であるが、有石胆嚢炎に比し診断率が低く、注意が必要である。

ガイドライン作成委員より患者さんへ
胆石なしで急性胆嚢炎になった場合でも、腹部超音波検査やCT検査は診断に役立ちます。ただし、見つけやすい胆石がないために、診断が少し難しい場合があります。
 


医学用語解説
無石胆嚢炎
(むせきたんのうえん)
胆石が詰まること以外の原因で起こる胆嚢炎のことです。手術後やケガ、やけどなど、症状が重い病気の治療中に発症しやすい胆嚢炎で、その割合は急性胆嚢炎の2〜15%程度です。
急性胆嚢炎
(きゅうせいたんのうえん)
多くの場合、胆嚢の出入り口に胆石が詰まるなどして、胆嚢が血行障害を起こしたり、胆汁の流れが滞ったりして膨れ、痛みが起こる病気のことです。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなると、痛みが治まる場合もありますが、そのまま胆石が詰まっていると、腸内の細菌などが逆流して細菌感染を引き起こします。
腹部エコー
(ふくぶエコー)
超音波を使った画像検査で、おなかの状態を調べることです。体への負担が少なく、胆嚢の状態を調べるのに適している超音波検査は、胆嚢炎の診断に役立ちます。しかし胆石が原因になる胆嚢炎に比べ、胆石以外の原因で発症した胆嚢炎の診断は難しいとされています。
CT
(シーティー)
コンピューター断層撮影装置のことで、computed tomographyの略です。X線を体に当て、コンピューターを使って体の中の状態を処理し、画像として映し出す検査です。体の内部を輪切りにした状態で細かく見ることができるため、体内の異常を調べることが可能です。近年は、三次元の画像も得られるようになりました。
有石胆嚢炎
(ゆうせきたんのうえん)
胆石の詰まりが原因で起こる急性胆嚢炎のことです。急性胆嚢炎といえば、このタイプを指すのが一般的です。胆石は胆汁の成分の一部が結晶化して大きくなり、石のように固まったもので、それが胆嚢の入り口に詰まると、胆嚢が血行障害を起こすとともに、胆汁の流れが滞ります。さらに細菌に感染して炎症を起こす病気が急性胆嚢炎です。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q117 無石胆嚢炎の診断法は?
 
 
 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す