急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

重症患者に発生する場合が多い。
通常の急性胆嚢炎と比し、予後が悪い。
胆嚢ドレナージのみでも軽快しうる場合がある。

ガイドライン作成委員より患者さんへ
急性胆嚢炎の原因はほとんどが、胆石によるものです。しかし、胆石がなくても急性胆嚢炎が起こる場合があり、注意が必要です。その特徴としては以下のようなものです。
長い間食事ができないような重症の入院患者に起こることが多いです。
一般的な、胆石による胆管炎よりも症状が悪くなることが多いです。
逆に、胆嚢ドレナージのみで、手術をしなくても具合が良くなる場合もあります。
[次の解説も続けてお読みください]
 


医学用語解説
無石胆嚢炎
(むせきたんのうえん)
胆石が詰まること以外の原因で起こる胆嚢炎のことです。手術後やケガ、やけどなど、症状が重い病気の治療中に発症しやすい胆嚢炎で、その割合は急性胆嚢炎の2〜15%程度です。
急性胆嚢炎
(きゅうせいたんのうえん)
多くの場合、胆嚢の出入り口に胆石が詰まるなどして、胆嚢が血行障害を起こしたり、胆汁の流れが滞ったりして膨れ、痛みが起こる病気のことです。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなると、痛みが治まる場合もありますが、そのまま胆石が詰まっていると、腸内の細菌などが逆流して細菌感染を引き起こします。
予後
(よご)
病気の治療後の経過のことです。急性胆嚢炎の原因として最も多いのは、胆石が詰まって胆汁が滞り、細菌感染を引き起こすことです。しかし手術後に起こる胆嚢炎などの一部には、胆石が原因ではないものもあります。胆石が原因ではない胆嚢炎は重症患者に起こることが多いため、胆石による胆嚢炎に比べて治療後の経過が悪い場合があります。
胆嚢ドレナージ
(たんのうドレナージ)
ドレナージというチューブを胆嚢内に挿入し、溜まった胆汁を体外へ排出する方法です。現在行われている主なものには、経皮経肝胆嚢ドレナージ、経皮経肝胆嚢吸引穿刺法(けいひけいかんたんのうきゅういんせんしほう)というものがあります。経皮経肝胆嚢ドレナージは、超音波で胆嚢内の状態を見ながら皮膚の上から針を入れ、胆嚢へチューブを到達させる方法です。経皮経肝胆嚢吸引穿刺法も同様に針を刺し、注射器のようなもので胆嚢内の胆汁を吸い出す方法です。


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(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q114 無石胆嚢炎の診療におけるポイントは?
 
 
 
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