急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

サージカルリスクのため手術困難と判断された高齢者の急性胆嚢炎に対する経皮経肝胆嚢ドレナージ推奨度B

ガイドライン作成委員より患者さんへ
急性胆嚢炎の基本治療は、胆嚢を切除する外科手術です。しかし、高齢者で手術に耐えられないと判断された場合は、皮膚から胆嚢へ針を刺して細菌の増殖した胆汁を排膿する胆嚢ドレナージが勧められます[Q74も参考にしてください]。
 


医学用語解説
サージカルリスク 手術に伴う危険性が高いことです。患者さんの病状から、胆嚢を摘出する手術が必要な場合でも、さまざまな症状を合併していたり、体力が低下していたりして手術に耐えられないような高齢者の場合は、まずドレナージというチューブを胆嚢内に挿入し、胆汁を体外へ排出させる治療を行うことがあります。体調が安定してきたら手術を行うなど、患者さんの容態に合わせて治療法を選択します。
急性胆嚢炎
(きゅうせいたんのうえん)
多くの場合、胆嚢の出入り口に胆石が詰まるなどして、胆嚢が血行障害を起こしたり、胆汁の流れが滞ったりして膨れ、痛みが起こる病気のことです。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなると、痛みが治まる場合もありますが、そのまま胆石が詰まっていると、腸内の細菌などが逆流して細菌感染を引き起こします。
経皮経肝胆嚢ドレナージ
(けいひけいかんたんのうドレナージ)
英語でpercutaneous transhepatic gallbladder drainageといい、PTGBDと略されることもあります。ドレナージという細いチューブを胆嚢内に挿入して、溜まった胆汁を排出させる方法です。超音波画像を見ながら胆嚢内の状態を確認し、皮膚の上から肝臓を通して胆嚢内に針を刺し、胆嚢内に滞った胆汁を吸い取ります。さらに針の先から、細いワイヤーを胆嚢内に刺し込んでチューブを挿入し、胆嚢内に留め置きます。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q111 サージカルリスクのため手術困難と判断された高齢者の急性胆嚢炎に対する治療法は?
 
 
 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す