急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

診断的検査や処置など、採取する機会がある限り胆汁を採取し、好気性嫌気性を問わず菌種の同定に努めるべきである。
  血液培養推奨度C][重症胆嚢炎を示唆する際は推奨度B
  胆汁培養推奨度B

ガイドライン作成委員より患者さんへ
細菌検査は、胆汁の検査と血液の検査があります。
血液の細菌検査は、重症胆嚢炎の場合に進んで行います。
胆汁の細菌検査は、診断や検査で胆汁が採取できたときに行います。
急性胆嚢炎の原因となっている細菌を調べることで、特に有効な抗菌薬を決めることができます。
 


医学用語解説
急性胆嚢炎
(きゅうせいたんのうえん)
多くの場合、胆嚢の出入り口に胆石が詰まるなどして、胆嚢が血行障害を起こしたり、胆汁の流れが滞ったりして膨れ、痛みが起こる病気のことです。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなると、痛みが治まる場合もありますが、そのまま胆石が詰まっていると、腸内の細菌などが逆流して細菌感染を引き起こします。
胆汁
(たんじゅう)
肝臓でつくられ、食事から摂った脂肪やコレステロールなどを、水に溶けやすく消化されやすいようにする働きがある黄緑色の液体のことです。胆管を通して胆嚢へと流れ込み、濃縮されて溜められます。食事後、食べ物が消化され、十二指腸まで運ばれてくると、胆汁は十二指腸へと流れ出します。脂肪分を水に溶けやすくした後は便として排出されたり、再び吸収されたりします。
好気性
(こうきせい)
酸素があるところで生きていられる細菌のことです。細菌は種類によって、酸素がないところで生きていられるものと、酸素があるところで生きていられるものがあります。酸素があるところで生きていられる細菌を好気性細菌、酸素がないところで生きていられる細菌を嫌気性細菌といいます。
嫌気性
(けんきせい)
酸素がないところで生きていられる細菌のことです。細菌は種類によって、酸素がないところで生きていられるものと、酸素があるところで生きていられるものがあります。酸素がないところで生きていられる細菌を嫌気性細菌、酸素があるところで生きていられる細菌を好気性細菌といいます。
同定
(どうてい)
見極めて確定することです。ここでは血液や胆汁を調べて、感染した細菌の種類を特定することを指します。細菌を殺す治療を行う際に、多くの種類の細菌に効果がある薬を漫然と投与し続けるのではなく、特定された細菌に対して、より高い殺菌効果が得られる薬を選択します。
血液培養
(けつえきばいよう)
血液を採取し、専用の培養容器に入れて、温度や湿度の管理を行って細菌を増殖させることです。ここでは胆汁に感染した細菌の種類を特定するために、血液を採取して検査を行うことをいいます。
胆嚢炎
(たんのうえん)
胆嚢管に胆石が詰まるなどして胆汁の流れが滞り、胆汁に細菌が増えて炎症を引き起こす病気のことです。胆嚢内が膨らみ、ひどくなると胆汁が漏れ出したり、血液の循環が悪くなったりして細胞が死んでしまうことがあります。強い痛みが起こったり、白目が黄色くなるなどの症状が現れます。
胆汁培養
(たんじゅうばいよう)
胆汁を採取して専用の容器に入れ、温度や湿度の管理ができる装置の中で、細菌を増殖させることをいいます。胆汁に感染した細菌の種類を特定するための検査です。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q89 急性胆嚢炎における細菌検査はどのように行うべきか?
 
 
 
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