急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

CT所見として、胆嚢内腔あるいは胆嚢壁内のガス像胆嚢内腔膜様構造胆嚢壁造影不良胆嚢周囲膿瘍、などを着目すべきである。[推奨度A

ガイドライン作成委員より患者さんへ
CT検査でも、急性胆嚢炎の重症の度合いを診断することができます。重症の度合いの判定に重要な点として、胆嚢内部や胆嚢壁のガス像、胆嚢内部の膜構造、胆嚢の血流不良、胆嚢周囲や肝臓の膿(うみ)の溜まりなどに注目しています。このような画像が見られた場合、重症である場合が多いのです。
 


医学用語解説
急性胆嚢炎
(きゅうせいたんのうえん)
多くの場合、胆嚢の出入り口に胆石が詰まるなどして、胆嚢が血行障害を起こしたり、胆汁の流れが滞ったりして膨れ、痛みが起こる病気のことです。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなると、痛みが治まる場合もありますが、そのまま胆石が詰まっていると、腸内の細菌などが逆流して細菌感染を引き起こします。
重症度判定
(じゅうしょうどはんてい)
患者さんの病気の重さを評価し、判断することです。その指標となるのが重症度判定基準というもので、急性胆嚢炎では、患者さんの状態や症状、血液検査、画像診断の結果を指標に当てはめて判断します。
CT所見
(シーティーしょけん)
コンピューター断層撮影を行い、体の内部を輪切りにした画像を医師が見て、下した診断や結果のことです。CTは、X線を体に当てることで得られる体の中の情報を、コンピューターを使って処理し、画像として映し出す検査です。
胆嚢内腔
(たんのうないくう)
胆嚢の中のことです。胆嚢はナスのような形で、中は袋状の空洞で胆汁が入っています。胆汁に細菌が増え、炎症を起こした胆嚢を超音波検査で確認すると、胆嚢の中は白い部分と黒い部分がまだらに見えます。
胆嚢壁
(たんのうへき)
胆嚢を構成する壁のことです。内側から粘膜、線維平滑筋層、漿膜の3層に分かれています。肝臓下面と接する部分は漿膜はなく、結合組織で肝臓と接しています。
ガス像
(ガスぞう)
胆嚢内に溜まった胆汁や胆嚢壁に、ガスを発生させる細菌が感染したのが原因で、胆嚢内や胆嚢壁にガスが発生し、超音波検査を行ったときに黒く見えることです。
膜様構造
(まくようこうぞう)
超音波検査を行ったときに、胆嚢の中に膜のような層が見えることです。
造影不良
(ぞうえいふりょう)
CTによる画像検査を行ったものの、うまく臓器の状態が映らなかったことを指します。原因としては、胆嚢に炎症が起こって血液の流れが悪くなることで、造影剤が胆嚢に届かなかったことなどが考えられます。
胆嚢周囲膿瘍
(たんのうしゅういのうよう)
胆嚢の壁の内側に膿(うみ)が溜まった袋状のものができることです。細菌感染によって膿が溜まり、壁の表面がただれたようになります。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q76 急性胆嚢炎の重症度判定においてはどのようなCT所見に着目すべきか?
 
 
 
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