急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

原則として、胆道ドレナージ術の施行を前提として、絶食の上で十分な量の輸液電解質の補正、抗菌薬投与を行う。[推奨度A

ガイドライン作成委員より患者さんへ
急性胆管炎の基本的治療は、細菌の増殖した胆汁を排膿する胆道ドレナージという治療です。初期の治療としては、このドレナージ治療を前提として、絶食と十分な点滴と抗菌薬治療を行います。
 


医学用語解説
急性胆管炎
(きゅうせいたんかんえん)
胆管の中に胆石が詰まるなどして、胆汁の流れが滞り、胆管内に胆汁があふれると、痛みが起こります。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなることで痛みが治まることもありますが、そのまま胆汁の流れが滞っていると、腸内の細菌などが逆流し、細菌感染を引き起こします。これを急性胆管炎といいます。
胆道ドレナージ術
(たんどうドレナージじゅつ)
ドレナージというチューブを通し、胆道内に滞った胆汁を排出させることです。内視鏡的ドレナージ、経皮経肝的ドレナージ、開腹ドレナージの三つがあります。内視鏡的ドレナージは口から胃、十二指腸、胆管へとチューブを通し、経皮経肝的ドレナージは皮膚の上から肝臓、胆管へとチューブを通す方法です。特殊な場合にはおなかを開いて、胆管にチューブを通す開腹ドレナージが行われます。
輸液
(ゆえき)
体内の水分バランスや栄養などを補うために使われる点滴用の液剤のことです。急性胆管炎や胆嚢炎は、発熱、腹痛のために食事が十分に摂れず、脱水にもなりやすいので、必要な栄養や水分などを点滴で補い、脱水症状や栄養障害を防ぎます。
電解質
(でんかいしつ)
ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなど、液体の中で電気を通す性質があるもののことです。これらのものは生命を維持するために必要であり、体内の水分バランス調整に欠かすことができません。
抗菌薬
(こうきんやく)
細菌を殺したり、増殖したりするのを防ぐ効果がある薬のことです。急性胆管炎・急性胆嚢炎では胆汁が細菌感染を起こすため、細菌感染を治療する目的で、抗菌薬が使われます。吐き気があって薬が飲めないときは、注射や点滴で投与することもあります。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q44 急性胆管炎の初期治療は何か?
 
 
 
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