急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

重症急性胆管炎の診断には、急性胆管炎の診断に必要な上記血液検査[[末梢血白血球数、CRP]、ビリルビン、胆道系酵素[ALP、γ-GTP]]に加えて、アルブミンクレアチニン尿素窒素末梢血血小板数、の測定が必要である。[推奨度A

ガイドライン作成委員より患者さんへ
急性の胆管炎と診断された場合、重症かどうかの診断をすることが必要です。重症胆管炎の診断には、体の炎症の程度を示すもの[末梢血白血球数、CRP]、黄疸の程度を示すもの[ビリルビン]、胆道障害を示すもの[ALP、γ-GTP]の測定に加えて、タンパク質、腎臓障害を示すもの[クレアチニン、尿素窒素]、血液の凝固異常を示すもの[血小板数]を調べることが必要です。
 


医学用語解説
急性胆管炎
(きゅうせいたんかんえん)
胆管の中に胆石が詰まるなどして、胆汁の流れが滞り、胆管内に胆汁があふれると、痛みが起こります。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなることで痛みが治まることもありますが、そのまま胆汁の流れが滞っていると、腸内の細菌などが逆流し、細菌感染を引き起こします。これを急性胆管炎といいます。
アルブミン 血液中に存在するタンパク質の種類の一つです。血液中にはさまざまなタンパクが含まれていますが、大きく分けると、アルブミンとグロブリンの二つがあります。中でも肝臓でつくられるのがアルブミンであり、肝臓に障害があると、血液中のアルブミン量が減り、グロブリンの割合が高くなります。
クレアチニン 体内でタンパク質が消費された後に残る老廃物のことです。血液中に取り込まれ、腎臓に運ばれて濾過(ろか)され、尿として排出されます。血液検査でクレアチニンの値が高いと、腎臓の働きが低下していることが分かります。急性胆管炎・急性胆嚢炎が重症化すると、全身にさまざまな影響が及び、腎機能が低下することもあります。
尿素窒素
(にょうそちっそ)
人間の活動に利用されたタンパク質の老廃物のことです。体にはすでに不要であり、尿と一緒に排出されますが、腎臓の機能が低下すると、血液の濾過(ろか)がうまく行われず、体の中に溜まっていきます。血液中の尿素窒素の値を調べることで、腎臓機能に異常がないかどうかが確認できます。
末梢血血小板数
(まっしょうけつけっしょうばんすう)
血小板が、一定の血液量の中にどのくらい含まれているかをいいます。血小板は、血液を構成する成分の一つで、血液を固めたり出血を止めたりする働きをしています。急性胆管炎が重症化すると、DICという播種(はしゅ)性血管内凝固症候群を引き起こすことがあります。DICにかかると、全身の血管に血栓がつくられるため、血小板が大量に使われてしまい、血小板数が減少します。


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(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q28 重症急性胆管炎の診断に必要な血液検査は?
 
 
 
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