急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

日本では回虫症による胆管結石急性胆管炎無石胆嚢炎などが以前みられたが、罹患率の減少により現在は稀となった。

ガイドライン作成委員より患者さんへ
過去、日本では、回虫などの寄生虫が胆管や胆嚢に入り込み、結石をつくる場合や急性胆管炎、急性胆嚢炎を起こすことが見られました。しかし、寄生虫症そのものが減ったため、現在では回虫による胆道炎はまれになりました。
 


医学用語解説
回虫症
(かいちゅうしょう)
回虫の卵が付着した野菜をそのまま食べてしまうことで、感染する病気です。輸入野菜や有機野菜などに付着していることがあり、感染すると、おなかの痛みや肺炎の症状が起こります。野菜を流水で丁寧に洗うことで予防することができます。
胆道
(たんどう)
胆汁の通り道である胆管、胆嚢の総称です。胆汁は、肝臓でつくられ、胆道を通って十二指腸に流れ込み、食べ物を消化しやすくします。
胆管結石
(たんかんけっせき)
胆汁の通り道である胆管に発生した塊のことです。結石とは、単一あるいは複数の成分が結晶となり、石のような塊に成長したもので、胆管や胆嚢にできたものを胆石といいます。胆石の成分として最も多いのはコレステロールで、そのほかには、胆汁の色素成分であるビリルビンなどがあります。結石は胆管や胆嚢にだけできるものではなく、腎臓や尿路などにできることもあります。
急性胆管炎
(きゅうせいたんかんえん)
胆管の中に胆石が詰まるなどして、胆汁の流れが滞り、胆管内に胆汁があふれると、痛みが起こります。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなることで痛みが治まることもありますが、そのまま胆汁の流れが滞っていると、腸内の細菌などが逆流し、細菌感染を引き起こします。これを急性胆管炎といいます。
無石胆嚢炎
(むせきたんのうえん)
胆石が詰まること以外の原因で起こる胆嚢炎のことです。手術後やケガ、やけどなど、症状が重い病気の治療中に発症しやすい胆嚢炎で、その割合は急性胆嚢炎の2〜15%程度です。
罹患率
(りかんりつ)
病気にかかる割合をいいます。ここでは、回虫の卵が付着した野菜をそのまま食べてしまうことで感染する回虫症という病気にかかる割合を指しています。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q11 回虫症は胆道疾患に関連するか?
 
 
 
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