急性胆管炎・胆嚢炎 Minds版ガイドライン解説

急性胆管炎は2つの機序、すなわち胆道閉塞胆汁中の細菌増殖[胆汁感染]により起こる。

ガイドライン作成委員より患者さんへ
胆管が詰まるなどして、胆汁が順調に流れなくなり、さらに胆汁の中に細菌が増えると、急性胆管炎が発症します。特に、胆石がある場合や、手術を受けたことがある場合は、注意が必要です。
 


医学用語解説
急性胆管炎
(きゅうせいたんかんえん)
胆管の中に胆石が詰まるなどして、胆汁の流れが滞り、胆管内に胆汁があふれると、痛みが起こります。胆石が自然に流れて胆汁の詰まりがなくなることで痛みが治まることもありますが、そのまま胆汁の流れが滞っていると、腸内の細菌などが逆流し、細菌感染を引き起こします。これを急性胆管炎といいます。
機序
(きじょ)
病気の原因や理由のことです。急性胆管炎が発症する原因としては、胆汁が流れる管が狭くなり、胆汁の流れが滞ることで、胆汁に細菌が増えることが挙げられます。
胆道閉塞
(たんどうへいそく)
胆道という胆汁が流れる管がふさがっていることです。胆管炎や胆嚢炎は、胆汁の細菌感染による炎症が原因であり、細菌を死滅させる薬を使った治療が行われます。しかし胆道が胆石などでふさがった状態では、薬が胆道へ届きにくくなるため、薬を投与すると同時に、胆管にチューブを通して胆汁を排出させる胆道ドレナージという治療が行われます。
胆汁
(たんじゅう)
肝臓でつくられ、食事から摂った脂肪やコレステロールなどを、水に溶けやすく消化されやすいようにする働きがある黄緑色の液体のことです。胆管を通して胆嚢へと流れ込み、濃縮されて溜められます。食事後、食べ物が消化され、十二指腸まで運ばれてくると、胆汁は十二指腸へと流れ出します。脂肪分を水に溶けやすくした後は便として排出されたり、再び吸収されたりします。
細菌増殖[胆汁感染]
(さいきんぞうしょく[たんじゅうかんせん])
胆管内に滞った胆汁に細菌が増えることです。胆石などが原因で胆管が狭くなったりふさがってしまったりすると、胆汁の流れが滞ります。そこへ、もともと大腸などにすみついている細菌が逆流して胆汁に感染し、増殖して炎症を引き起こします。


関連する医療提供者向けガイドラインの表示はこちら
(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン  Q1 急性胆管炎発症の成因は?
 
 
 
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