糖尿病 Minds版ガイドライン解説

足潰瘍の治療は、足潰瘍部免荷デブリドメント血糖コントロールのケア、感染の治療、虚血の治療、などである。病状に応じて血管外科整形外科形成外科皮膚科などに依頼する。
グレードA コンセンサス

ガイドライン作成委員より患者さんへ
足に潰瘍ができたら、まずはその部位に体重がかからないようにします。そして、血糖コントロールをより厳格にします。さらに、潰瘍の手当て、感染の治療、血流改善、外科・皮膚科などの専門科受診をします。自己治療は危険なのですぐに受診してください。
 


医学用語解説
足潰瘍
(あしかいよう)
足の皮膚に起こる障害で、一部の皮膚や粘膜がなくなり、奥の組織が見えた状態のことです。足潰瘍は、ケガや靴ずれなどで足に傷ができても、治療せず放置したときに起こります。ここから細菌などが感染すると、膿(うみ)を持ったり、赤く腫れたりします。糖尿病の患者さんは、血液中のブドウ糖濃度である血糖値が高い状態が続くことにより神経が傷つき、足の感覚が鈍っていることが多く、傷に気付かず、足潰瘍にまで悪化してしまうことがあります。
足潰瘍部
(あしかいようぶ)
足の一部の皮膚や粘膜がなくなり、奥の組織が見えている部分のことです。皮膚や粘膜がなくなることを潰瘍といいます。足潰瘍は、ケガや靴ずれなどで足に傷ができ、治療せず放置したときに起こります。この足潰瘍の部分に力が加わると、症状が悪化したり、治りが悪くなったりします。そのため、足潰瘍ができると、足潰瘍部に体重がかからないよう、松葉杖や車椅子を使って生活することもあります。
免荷
(めんか)
歩くときに足に体の重さがかからないようにすることです。足の一部の皮膚や粘膜がなくなる潰瘍を治療する際は、松葉杖や車椅子を使って歩くときに足に体重がかからないようにしたり、皮膚の一部がなくなった潰瘍の部分に力が加わらないように加工された特殊な靴を履いたりして、免荷を行います。
デブリドメント 傷口に生じた膿(うみ)や細胞が死んで壊死(えし)した組織などを洗い流したり、切り取ったりして、傷口を清潔にすることです。デブリドマンともいいます。傷口に膿などが付着したままにしておくと、不潔になり回復が遅れるため、定期的にデブリドメントを行ってきれいにする必要があります。
血糖コントロール
(けっとうコントロール)
血液中のブドウ糖の濃度である血糖値を正常な値に保つことです。血糖コントロールの目安として、一晩絶食した朝に採血して測定する空腹時血糖値、血糖値が高くなる食後に採血して測定する食後2時間血糖値、1〜2カ月間の平均血糖値を反映したHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)などが用いられます。

(きず)
何らかの理由により、皮膚やその下の組織が傷ついた箇所のことです。糖尿病の患者さんでは、足の神経の働きが低下して感覚が鈍くなり、足に創ができたことに気付きにくくなり、創が悪化しがちです。また、創から細菌が感染して、化膿(かのう)することもあるため、こまめな手入れが必要です。
虚血
(きょけつ)
動脈から臓器に血液が十分に送られず、酸素や栄養分が不足した状態のことです。乏血(ぼうけつ)と呼ばれることもあります。血管の壁にコレステロールが付着して、動脈が詰まりやすくなり、血液が十分に流れなくなることが原因の一つです。虚血になると臓器の働きが悪くなったり、細胞が死んで壊死(えし)を起こしたりすることがあります。
血管外科
(けっかんげか)
血管が関連した病気を診察し、手術などにより治療を行う診療科のことです。主に、大動脈に瘤ができる大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)、下肢の静脈に瘤ができる下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)、手足の血管が傷ついたり詰まったりして血液の流れが悪くなることで起こる末梢動脈疾患(まっしょうどうみゃくしっかん)などの治療を行います。
整形外科
(せいけいげか)
骨や関節、神経や筋肉に関連した病気やケガを専門に診療・治療する診療科のことです。骨折やスポーツなどによる靱帯(じんたい)の損傷の治療のほか、事故などに伴うケガの後遺症や腰痛、肩こりなどが治療の対象になります。
形成外科
(けいせいげか)
体の表面である外見を診察し、治療する診療科のことです。主にケガや火傷によって生じた体の傷や変形を目立たなくする治療や、乳がん摘出などの手術によって、失った体の一部を新しく再生する治療などを行います。
皮膚科
(ひふか)
全身の皮膚や爪、髪の毛、粘膜などの病気を専門に診察・治療する診療科のことです。糖尿病の患者さんでは、細菌が感染して傷口が化膿(かのう)することがあります。その場合には、皮膚科を受診し、適切な治療を受ける必要があります。

 


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(旧版)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 改訂第2版  ステートメント
 
 
 
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