(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版

1 薬物乱用頭痛はどのような頭痛ですか

解説
薬物乱用による頭痛は、これまで反跳性頭痛、薬物誘発頭痛、薬物誤用頭痛などと呼ばれてきた頭痛です。薬物乱用頭痛とは頭痛になりやすい方が、急性期治療薬を頻回に使用することにより頭痛が悪化して慢性連日性化した状態をいいます。
薬物乱用頭痛の発症は急性期治療薬の服用状況によって決まります。急性期治療薬をのんべんだらり(たとえば毎週2〜3日以上)と長期に服用すると薬物乱用頭痛になります。何日間かまとめて服用しても、薬を飲まない期間が長い場合(たとえば月経中は4日間連続で服用したが、その前後1週間は服用しない)は、薬物乱用頭痛を引き起こすことはありません。片頭痛の特効薬であるトリプタンでも乱用によりかえって片頭痛の頻度が増加することにご注意ください。

薬物乱用頭痛の診断基準はつぎのようになっています。

表11 薬物乱用頭痛の診断基準
A    頭痛は1ヵ月に15日以上存在し、BおよびCを満たす
B   下記の薬物を3ヵ月を超えて定期的に乱用している
C   乱用薬物の中止後、2ヵ月以内に頭痛消失、または以前のパターンに戻る

エルゴタミン乱用頭痛    1ヵ月に10日以上エルゴタミンを摂取している
トリプタン乱用頭痛   1ヵ月に10日以上トリプタンを摂取している(剤型は問わない)
鎮痛薬乱用頭痛   1ヵ月に15日以上単一成分の鎮痛薬を服用している
複合薬物乱用頭痛   1ヵ月に10日以上複合薬物(複数の成分が含まれる頭痛薬。市販薬に多い)を摂取している

 

 
 
 
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