(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版
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薬物乱用による頭痛は、これまで反跳性頭痛、薬物誘発頭痛、薬物誤用頭痛などと呼ばれてきた頭痛です。薬物乱用頭痛とは頭痛になりやすい方が、急性期治療薬を頻回に使用することにより頭痛が悪化して慢性連日性化した状態をいいます。
薬物乱用頭痛の発症は急性期治療薬の服用状況によって決まります。急性期治療薬をのんべんだらり(たとえば毎週2〜3日以上)と長期に服用すると薬物乱用頭痛になります。何日間かまとめて服用しても、薬を飲まない期間が長い場合(たとえば月経中は4日間連続で服用したが、その前後1週間は服用しない)は、薬物乱用頭痛を引き起こすことはありません。片頭痛の特効薬であるトリプタンでも乱用によりかえって片頭痛の頻度が増加することにご注意ください。
薬物乱用頭痛の診断基準はつぎのようになっています。
表11 薬物乱用頭痛の診断基準 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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