(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版
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一次性雷鳴頭痛は突然に出現し、1分未満で痛みの強さがピークに達する重度の頭痛です。1時間〜10日間持続しますが、発症後の数週〜数ヵ月にわたって、定期的な再発はありません。雷鳴頭痛には脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血、未破裂脳動脈瘤、頸動脈または椎骨動脈の解離(かいり)、脳内出血、脳梗塞、脳静脈血栓症、下垂体卒中などの原因があることがあります。一次性雷鳴頭痛という診断を下すのには、これらの病気を必ず除かなければなりません。
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血の典型的な症状は「今まで経験したことがない突然の激しい頭痛」です。突然の頭痛の場合はくも膜下出血を強く疑わなければなりません。くも膜下出血の大発作をきたす前にくも膜下への少量の出血(マイナーリーク)を20%前後の方に認めます。マイナーリークの症状としては突然の頭痛のほかに、悪心・嘔吐、意識消失、めまいが主症状となることもあります。
雷鳴頭痛は重い病気が隠されていることが多いので、できるだけ早く脳神経外科あるいは神経内科に受診してください。
