(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版

1 群発頭痛はどのように診断するのですか

推奨 国際頭痛分類第2版により診断します
  グレードA:行うよう強く勧められる

解説
群発頭痛と群発頭痛に似た頭痛は、短期持続性の一側頭痛と流涙(りゅうるい)・鼻漏(びろう)などの自律神経症状を伴うのが特徴です。国際頭痛分類第2版では、これらの頭痛群に三叉神経・自律神経性頭痛(TAC)という概念を導入しました。
群発頭痛の診断基準はつぎのとおりです。

表10 群発頭痛の診断基準
A    B〜Dをみたす発作が5回以上ある
B   未治療で一側性の重度〜極めて重度の頭痛が、眼窩(がんか)部、眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に、15〜180分間持続する
C   頭痛と同側に少なくとも以下の1項目を伴う
    1    結膜充血または流涙(あるいはその両方)
  2    鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)
  3    眼瞼浮腫(がんけんふしゅ)
  4    前頭部および顔面の発汗
  5    縮瞳(しゅくどう)または眼瞼下垂(がんけんかすい)(あるいはその両方)
  6    落ち着きがない、あるいは興奮した様子
D   発作頻度は1回/2日〜8回/日である
E   その他の疾患によらない

サイドメモ
群発頭痛のサブタイプ
群発頭痛は、1ヵ月以上の寛解期(かんかいき)(症状がおさまっている時期)をはさむ「反復性群発頭痛」と寛解期がほとんどない「慢性群発頭痛」に分けられます。患者さんの約10〜15%は「慢性群発頭痛」とされています。
三叉神経・自律神経性頭痛(TAC)には、〈3.1 群発頭痛〉〈3.2 発作性片側頭痛〉〈3.3 結膜充血および流涙を伴う短時間持続性片側神経痛様頭痛発作(SUNCT)〉などのサブタイプがあります。
群発頭痛の病態生理
群発頭痛の病態として、内頸動脈の周囲に起源を求める説や、群発的に起こる特異性から脳の自律神経の中枢(視床下部)に起源を求める説などがあります。
 

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