(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版

6 月経時片頭痛の診断と治療はどうすればよいのですか

推奨 月経周期に関連して起こる「前兆のない片頭痛」発作は、重度のものが多いため、トリプタン系薬剤が推奨されます。予防薬は一般的な片頭痛予防療法に準じますが、月経に関連してのみ起こる場合には期間限定で予防薬を使用します
  グレードB:行うよう勧められる

解説
片頭痛発作は女性の約半数が、月経周期に関連して起こることを自覚しています。頭痛日記を用いた調査でも、月経数日前から月経中にかけて、片頭痛発作が起こることが多く、この時期に起こる発作は他の時期に比し、持続時間が長く、治療抵抗性のことが多いようです。
月経時片頭痛の薬物治療は基本的には一般的な片頭痛治療と同様ですが、発作が重度の場合が多いため、急性期治療としてはトリプタン系薬剤が勧められています。
予防療法としては月経周期に関連してのみ発作が起こる場合には、月経1〜2週間前から月経終了までの短期間使用します。消炎鎮痛薬は、月経時片頭痛や月経関連片頭痛の短期的な予防治療に使用されます。ホルモン療法としては、エストラジオール(女性ホルモンの一種)の有効性を示す試験もあります。

サイドメモ
月経に関連して起こる片頭痛の呼び方は、国際頭痛分類第2版の付録に定義されています。月経に関連して起こる〈A1.1 前兆のない片頭痛〉は、サブグループとして
〈A1.1.1 前兆のない純粋月経時片頭痛〉
〈A1.1.2 前兆のない月経関連片頭痛〉
〈A1.1.3 前兆のない非月経時片頭痛〉
に分類されています。〈A1.1.1 前兆のない純粋月経時片頭痛〉は、月経開始日(月経開始2日前から月経3日目まで)のみに生じ、月経3周期中2周期以上で認めその他の時期には認めないものをいいます。〈A1.1.2 前兆のない月経関連片頭痛〉は〈A1.1.1〉で定義した時期に加え、その他の時期にも発作を認めるものと定義されています。
 

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