(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版

4 ほかの片頭痛治療薬はどのように評価されているのでしょうか

推奨 エルゴタミン、アセトアミノフェン、消炎鎮痛薬、カフェイン、制吐薬などが用いられています
  グレードB:行うよう勧められる  グレードC:行うよう進めるだけの根拠が明確でない

解説
これらについてエビデンスを示します。
●エルゴタミン/カフェイン配合薬(カフェルゴット®など)
エルゴタミンは古くからある片頭痛治療薬でカフェルゴット®などの名前で処方されています。古い薬なのではっきりした有効性のエビデンスはありません。中等度〜重度の片頭痛への効果はトリプタンより劣ると結論されています。
早期服用での効果は消炎鎮痛薬と同等もしくは劣っており、副作用として悪心をきたすことが多く、また長期乱用による副作用の警告がなされています。片頭痛治療薬としての役割は限られてきています。またトリプタンとの併用、妊娠の可能性がある場合、授乳中の使用は禁忌(きんき)です(推奨のグレードB)。
●アセトアミノフェン
アセトアミノフェンはいろいろな商品名のもとに市販薬として多用されている薬剤です。安全性が高く、軽度〜中等度の片頭痛発作には効果がみられることから、市販薬としては推奨されます(推奨のグレードB)。アセトアミノフェン単独では消炎鎮痛薬より効果が劣りますが、アセトアミノフェン・アスピリン・カフェイン配合処方(AAC処方といいます)は高く評価されています。
●アスピリン、そのほかの鎮痛薬
非ステロイド系消炎鎮痛薬(消炎鎮痛薬)は、片頭痛の症状を有意に改善させます。安全性も高く、軽度〜中等度の頭痛の第一選択薬となります。発作の、できる限り早期の服用が推奨されます(推奨のグレードB)。
●カフェイン
カフェイン単独投与では有効性のエビデンスがありませんが、鎮痛薬と併用すると有効です(推奨のグレードB〜C)。
●制吐薬
制吐薬(いずれも処方薬)は、片頭痛急性期治療薬と併用すると頭痛の程度や悪心・嘔吐などの消化器症状の改善効果が示されています。副作用も少ないことから積極的な併用が勧められます(推奨のグレードB)。

サイドメモ
非ステロイド系消炎鎮痛薬
ステロイドではないのに消炎効果がある鎮痛薬を非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)といいます。さまざまな種類のNSAIDsが利用されていますが、市販薬ではアスピリンとイブプロフェンがこれに該当します。
カフェイン離脱頭痛
コーヒーや紅茶などのカフェイン含有飲料が片頭痛の代替療法として汎用されています。ただし1日200mg以上のカフェインを2週間を超えて慢性的に使用すると、カフェイン離脱頭痛が起こる可能性があります。カフェインのとり過ぎに注意しましょう。コーヒー1杯には50〜100mgのカフェインが含まれています。
 

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