(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版

2 片頭痛の急性期治療薬にはどのような種類があり、どのように使い分けるのでしょうか

推奨 片頭痛の重症度に応じて薬剤を選択します。片頭痛急性期治療薬には、つぎのような種類があります。
1)アセトアミノフェン
2)非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs):アスピリンなど
3)エルゴタミン製剤
4)トリプタン系薬剤
5)制吐薬
軽度〜中等度の頭痛にはアスピリンなどの消炎鎮痛薬、中等度〜重度の頭痛にはトリプタン系薬剤が推奨されます。いずれの場合も制吐薬の併用は有用です
  グレードA:行うよう強く勧められる

解説
片頭痛発作治療の目的は頭痛を確実に速やかに消失させ、機能を回復させることです。軽度〜中等度の頭痛には消炎鎮痛薬、中等度〜重度の頭痛(または軽度〜中等度の頭痛でも過去に消炎鎮痛薬の効果がなかった場合)には、片頭痛特異的治療(トリプタン系薬剤など)が推奨されます。
エルゴタミン+カフェインの経口薬(日本ではカフェルゴット®など)は、トリプタン系薬剤との比較試験によると有効性は劣ります。しかし、発作開始直後に使用すると効果がみられる患者さんもあり、現在でも使用されることがあります。
急性期治療薬は3ヵ月を超えて連日のように服用すると薬物乱用頭痛をきたす可能性があることに注意してください。

サイドメモ
段階的治療と層別治療
段階的治療とは最初に鎮痛薬を投与し、効果がみられなかった場合にトリプタンにすすんでいく、という方法です。層別治療とは片頭痛の重症度に応じて治療薬を選択する方法です。ランダム化試験では層別治療の有効性が示されました。
 

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