(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版

10 薬物療法以外にどのような頭痛の治療法があるのでしょうか

推奨 一次性頭痛の薬物療法以外の治療法には行動療法、理学療法、サプリメント療法があります。
これらの治療法には健康保険の適用外のものや副作用の報告もあるため、使用にあたっては個人の特性を考慮に入れて行います
※片頭痛および緊張型頭痛に対する非薬物療法の詳細は「第4章 5 片頭痛の予防によいサプリメントにはどのようなものがありますか」、「第5章 3 緊張型頭痛の急性期(頭痛時、頓服)治療にはどのようなものがありますか」を参照してください
  グレードB:行うよう勧められる  グレードC:行うよう進めるだけの根拠が明確でない

解説
一次性頭痛には、薬物療法以外の予防的治療も期待されます。薬物療法以外の治療法でエビデンスのあるものとして以下のようなものがあります。
行動療法:リラクゼーション、バイオフィードバック、認知行動療法、催眠療法
理学療法:鍼、経皮的電気刺激など
サプリメント:ナツシロギク(フィーバーフュー)、西洋フキ(バターバー)、マグネシウム、ビタミンB2(「第4章 5 片頭痛の予防によいサプリメントにはどのようなものがありますか」)
カイロプラクティックや頸部操作(脊椎徒手整復治療)は、比較試験の報告もありますが、専門家の一定の見解は得られておらず、手技によっては危険性も伴うため、十分な注意が必要です(推奨グレードC)。
これらの治療法はつぎのような患者さんの治療オプションです。(1)薬物療法以外の治療を希望、(2)薬物治療に耐えられない、(3)薬物療法に禁忌がある、(4)薬物治療に反応しない、(5)妊娠または妊娠の可能性がある、(6)薬物乱用頭痛の既往、(7)明らかなストレス下にある場合。

サイドメモ
行動療法は心理療法の一種です。ここでいう行動とは身体的行動ばかりではなく、情動、表情、言語的表現、内臓機能をも含んでいます。
自分の頭痛に悪影響のある要素を探し、それらの修正や消去をはかり、頭痛によい行動を形成して症状の改善を目指す治療法です。
バイオフィードバック法の一例を挙げますと、緊張型頭痛に悩む方に対して筋肉の緊張を検出し装置を通じて患者さんに伝え、それを軽減する方法を習得する方法です。
認知行動療法は、行動療法の一種で、認知の歪みを検証し、認知と行動を変容させて頭痛の軽減を図る治療法です。
 

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