(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版
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頭痛の情報は自覚的なものであり、医師へ正しく伝えることがむずかしく、頭痛の診断や治療の評価が困難でした。頭痛ダイアリー(図9)の目的は患者の情報をできるだけ効率よく医師に伝えるよう工夫された頭痛診療のアシスト・ツールです。頭痛ダイアリーからは、頭痛についての貴重な情報が得られます。使用により、(1)頭痛の頻度、(2)頭痛の性状、(3)痛みの強度、(4)持続時間、(5)随伴症状、(6)頭痛出現から内服までの時間、(7)薬物の治療効果、(8)誘因、(9)生活支障度、などを具体的に知ることができます。そのことにより患者──医師のコミュニケーションを改善することができます。
問診のみでは頭痛の強度や随伴症状の正確な把握は困難なことが多く、頭痛ダイアリーから正確な情報を得ることにより、(1)問診では診断がつかなかった症例の診断が可能となる、(2)自己の頭痛をよりよく把握できる、(3)頭痛のタイプに応じた服薬や内服のタイミングが改善される、などの利点も報告されています。
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図9 頭痛ダイアリー・表 |
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図10 頭痛ダイアリー・裏 |
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