(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版

5 問診票、スクリーナーをどう利用したらよいでしょうか

推奨 患者──医師間のコミュニケーションの向上と簡便で迅速な診断をするために問診票、簡易問診票(スクリーナー)の利用は日常診療の一助となります
  グレードB:行うよう勧められる

解説
頭痛の診療には問診が重要ですが、多忙な診療時間に患者さんから十分な情報を得ることは困難です。一次性頭痛の日常診療をサポートし、的確な診断および治療、医師──患者の効果的なコミュニケーションの実現を目指して、問診票やスクリーナーがいろいろと開発されています。
ガイドラインでは片頭痛の診断のスクリーニングについて頭痛の頻度(毎日頭痛がありますか?)、片側性(頭痛は片側におこりますか?)、支障度(頭痛で日常の活動が阻害されますか?)からなる質問項目が有用とされています(図4)。他に「My頭痛チェッカー」、支障度の評価尺度としては「マイダス」「ヒット6」などさまざまなものが用いられています。

サイドメモ
My頭痛チェッカーは日本人の片頭痛症例を統計処理して作成された片頭痛のスクリーナーです。それによると、最適な質問項目の組み合わせとして(1)日常動作での頭痛増悪、(2)悪心、(3)光過敏、(4)臭過敏が抽出されました。2項目以上で「ときどき」〜「半分以上」と回答した場合の片頭痛の的中度は91.2%です。
マイダス(MIDAS:Migraine Disability Assessment Scale)は片頭痛の障害評価尺度です。日常生活を仕事・学校、家事、余暇の3つの領域に分類して、その不能状態を点数化して合計したものを支障度として評価します。片頭痛に限らず、頭痛全般に有用であり、日本を含めた各国で翻訳されて信頼性、妥当性が検証されています。
ヒット6(HIT-6:Headache Impact Test)は、頭痛診断に必要な「痛みの頻度」「日常生活への影響」「社会生活への影響」「患者さんの精神的負担」などの6つの質問項目をチェックすることにより、頭痛による日常生活への支障度を知ることができます。
 

図4 頭痛問診票の一例(ADITUS Japanの提示する問診票)
図4 頭痛問診票の一例(ADITUS Japanの提示する問診票)

イラスト

図5 My頭痛チェッカー(片頭痛の簡易問診票)
図5 My頭痛チェッカー(片頭痛の簡易問診票)

図6 MIDAS(頭痛の生活への支障度をみる問診票)
図6 MIDAS(頭痛の生活への支障度をみる問診票)

図7 HIT-6(頭痛の生活への支障度をみる問診票)・表
図7 HIT-6(頭痛の生活への支障度をみる問診票)・表

図8 HIT-6・裏
図8 HIT-6・裏

 

 
 
 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す