(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版
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くも膜下出血の予後(よご:発病後の経過)は不良で、総死亡率は25〜53%と報告されています。誤診や診断の遅れが予後の悪化につながります。
くも膜下出血の診断を正確にするうえで最も大切なのは問診(診察時の医師の問いかけと患者さんの答え)です。くも膜下出血の頭痛の典型的な症状は「今まで経験したことがない突然の激しい頭痛」です。このような頭痛の場合は、くも膜下出血を強く疑わなければなりません。しかし、出血が少量の場合は頭痛よりも悪心・嘔吐、意識消失、めまいが主な症状となることがあります。頭に突然の異変を感じたら脳神経外科、神経内科を受診してほしいものです。
画像診断としてはCTが有用であり、発症24時間以内の診断率は92%です。CTで異常な部分が認められない場合は、腰椎穿刺(ようついせんし)による髄液(ずいえき)の観察や、さらにはMRIが必要となります。動脈瘤(どうみゃくりゅう)が発見されれば脳神経外科で動脈瘤頸部のクリッピング手術や動脈瘤のコイル塞栓(そくせん)術を行います。