(旧版)これで治す最先端の頭痛治療 「慢性頭痛の診療ガイドライン」市民版

2 一次性頭痛と二次性頭痛はどのように鑑別するのですか

推奨 二次性頭痛を疑うのは、つぎのような場合です
1. 突然の頭痛
2. 今まで経験したことがない頭痛
3. いつもと様子の異なる頭痛
4. 頻度と程度が増していく頭痛
5. 50歳以降に初発の頭痛
6. 神経脱落症状を有する頭痛
7. がんや免疫不全の病態を有する患者の頭痛
8. 精神症状を有する患者の頭痛
9. 発熱・項部硬直・髄膜刺激症状を有する頭痛
  グレードA:行うよう強く勧められる

解説
頭痛の鑑別診断で重要な点は、まず二次性頭痛のなかでも危険な(致命的な)頭痛を除外することです。次に片頭痛などの一次性頭痛を診断します。二次性頭痛の原因のなかにはくも膜下出血のように「見逃されると死につながる頭痛」が含まれています。成人の二次性頭痛は「最初にして最もひどい頭痛」や、頭痛もちの方でも「普段の頭痛とは様子が異なる頭痛」の場合は、危険な病気が原因となっていることがありますので、かかりつけ医と相談のうえ、神経内科や脳神経外科への受診をお勧めします(緊急時は直に受診します)。
神経脱落症状とは麻痺や歩行障害、言語障害、ものが見えにくいなどの症状を指します。精神症状とは、会話が支離滅裂になる、認知症の傾向がある場合を指します。項部硬直・髄膜刺激症状とは、頭痛や悪心・嘔吐のほかに顎が胸に付きにくくなる項部硬直の症状があります。これらは髄膜炎やくも膜下出血の症状です。

サイドメモ
二次性頭痛のうち小児の特徴として次のような項目が挙げられます。薬剤が効かない頭痛、眼底の異常(視神経の乳頭浮腫)・眼振・歩行や運動障害を有する頭痛、意識障害または嘔吐を伴う頭痛、眠ったり、起きたりを繰り返す頭痛、脳・脊髄の病気の家族歴や診療歴を有する頭痛。
 

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