有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン

文献ID:S0030640 PMID: 10680732

著者

Skarsgard D/Tonita J

出典: Cancer Causes Control/ 11巻, 1号, 79-88頁/ 発行年 2000年

文献番号

44

AF

1

研究方法

時系列研究

検査法

PSA

対象数

1970年1月から1997年12月までに診断された13,079人の前立腺がんのうち、死亡票確定例(DCO)を除外した12,347人。

対象集団の特性

年齢中央値73歳

対象集団の設定条件

Canadian province of Saskatchewan(Saskatchewan Cancer Registry登録例)

検診群における受診率・要精検率

1990年よりSaskatchewanでPSA検診導入。2病院の件数のみ把握。

評価指標

前立腺がんの死亡率・罹患率

評価指標の把握

1)前立腺がんの罹患・死亡はSaskatchewan Cancer Registryから。
2)PSA受診率は医療記録(Royal University Hospital in Saskatoon, Pasqua Hospital in Regina)、PSAは1990年より導入し、すべてこの2病院でデータを把握している。

結果

年齢調整罹患率(10万対)は、1970年60.5から1989年101.5、1993年がピークで163.1まで増加したが、以降減少している。1990年以降の急激な増加は、1990年のPSA導入の影響に起因する。相対生存率は、1970-1980年でほぼ一定だが、1990-1994年に改善している。年齢調整死亡率(10万対)は、1970-1974年(50-59歳7.4、60-69歳45.4、70-79歳171.6、80歳以上425.6)に比べ、1980-1984年では全年齢で増加(50-59歳11.1、60-69歳61.5、70-79歳236.1、80歳以上551.2)、以降は横ばい。1995-1996年では、50-59歳14.6、60-69歳58.1、70-79歳240.4、80歳以上641.0であった。

不利益

過剰診断の可能性は記載されているが本研究の範囲では検討できないとしている。

研究全般に関するコメント

罹患率は1993年をピークに上昇。生存率も1990-1994年から上昇。前立腺がんの罹患率の急激な増加は、1990年のPSA導入の影響だが、死亡率については直近10年の変動はない。PSA検診が死亡率減少効果を導くかは不明。検診普及と診断・治療の影響が分離できないことは、考察でも言及している。
Saskatchewan Cancer Registryは1932年に開始、99%のがんを確定している。今回の検討のDCO把握例は除外している。

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