有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン
文献ID:S0030635
PMID:
12364300
文献番号
39
AF
1
研究方法
時系列研究
検査法
PSA
対象数
シアトル94,900人 コネチカット120,621人
対象集団の特性
65-79歳以上の男性でMedicare加入者。
対象集団の設定条件
両地区は65-79歳年齢階級前立腺がん死亡率が同じ。
白人155.8 vs 155.6(10万対) 黒人317.2 vs 323.3(10万対)
検診群における受診率・要精検率
1993年のPSA検査。生検数の把握。(Medicare)
評価指標
1987-1997年までの前立腺がん死亡率。
評価指標の把握
SEER
結果
1)シアトルではPSAはコネチカットの5.39倍、生検は2.20倍実施されていた(1988-1990年)。1991-1993年にはPSAは1.61倍、生検は1.14倍となった。
2)前立腺がんの罹患は、1987-1990年にはシアトルはコネチカットより93%高かったが1991-1996年には11%高いだけで、その差は縮小した。
3)10年間の累積治療は
シアトル:前立腺全摘術2.7%・外照射3.9%
コネチカット:前立腺全摘術0.5%・外照射3.1%
4)両群の11年間の前立腺がん死亡率に差はなかった (RR=1.03, 90%CI: 0.95-1.11)。
不利益
記載なし。
研究全般に関するコメント
1987-1990年はMedicareでPSAがカバーされていない時期であり、PSAの実施率は過小評価の可能性がある。またシアトルはPSAの実施率が高い割に、生検率は2.2倍の差しかなく、外照射も合わせると治療率も2倍の差しかない。PSA・生検実施率をがん患者(100%)と非がん患者(5%)のサンプルから推定しており、実測ではない。内分泌療法の実施率についてはデータがない。追跡期間が短く10年では差を検出できない可能性が残る。