有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン

文献ID:S0030634 PMID: 16006879

著者

Kopec JA/Goel V/Bunting PS/Neuman J/Sayre EC/Warde P/Levers P/Fleshner N

出典: J Urol/ 174巻, 2号, 495-9; discussion 499頁/ 発行年 2005年

文献番号

38

AF

1

研究方法

症例対照研究

検査法

PSA・DRE

対象数

症例群236人 対照群462人

対象集団の特性

40-84歳男性、症例群は平均68.2歳で診断、71.5歳で転移。転移の72.1%が骨スキャンによる診断。
対照群は年齢(5歳階級)と居住地でマッチング。

対象集団の設定条件

Canada Ontario州Toronto近郊5郡部(1998年8月-2002年5月)

検診群における受診率・要精検率

症例群58人(24.6%)対照群126人(27.3%)
精検受診率:不明

評価指標

転移がん(1990年1月以降に前立腺がんと診断され、1999年8月-2002年5月までに転移がんに進展した例)

評価指標の把握

がん登録・医療記録・電話、メールなど、インタビュー調査(泌尿器科医、がん専門医)。

結果

PSA検診により、転移がんのリスクは35%減少(オッズ比0.65、95%CI:0.45-0.93)。
年齢別にみると、45-59歳で48%減少(オッズ比0.52、95%CI:0.28-0.98)だが、60-84歳では33%減少するも有意ではない(オッズ比0.67、95%CI:0.41-1.09)。

不利益

特になし。

研究全般に関するコメント

1)症例群を発見10年後に転移がんに進展したものに限定している(1990年以降に診断され、1999年8月-2002年5月に転移がんとなった症例)。本来は、発見時の転移がんとすべきである。
2)受診歴の把握はアンケートと医療記録によるが、アンケートが主体である。アンケートの回答率は、症例群69%、対照群51%と低い。
3)症例群の診断直前までの検診歴が比較できていない。このため exposure observation time による補正をしている。
4)検診・診断の識別が不明確な点がある。
5)論文を元に計算すると受診率は全年齢(症例群 25%、対照群 27%)、45-59歳(症例群 18%、対照群 29%)、60-64歳(症例群 30%、対照群 26%)。こちらをもとに粗オッズ比は全年齢=0.86、45-59歳=0.53、60-84歳=1.21である。60-84歳では症例群の受診が対照群より高い。
6)年齢別の評価を行うにはパワー不足。
7)評価指標が転移がん(発見時ではなく後に進展したもの)であることから、死亡率減少効果を直接証明するものではない。

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