有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン
文献ID:S0030630
PMID:
17206534
文献番号
34
AF
1
研究方法
系統的総括(メタ・アナリシス)
検査法
PSA・DRE・併用法(PSA、DRE)
対象数
ケベック研究 介入群:31,133人 対照群:15,353人
ノルコーピング研究 介入群:1,494人 対照群:7,532人
対象集団の特性
ケベックの研究は45-80歳男性、ノルコーピングの研究は50-69歳男性。
対象集団の設定条件
ケベック研究
ノルコーピング研究
検診群における受診率・要精検率
本論文中には記載なし。
評価指標
前立腺がんの死亡率・全死因死亡率
評価指標の把握
ケベック研究(死亡登録)
ノルコーピング研究(がん登録)
結果
ケベック研究は allocation concealment や結果の評価のブラインドが行われたか不明。ノルコーピング研究は割付方法に不備があり、allocation concealment ブラインドによる評価が不明。対照群の検診受診状況が不明。
ケベックの研究は検診受診者と非受診者を比較しRR=0.39(95%CI:0.19-0.65)と報告されているが、コンプライアンスが低い。Intention-to-treat 分析をすると1.01(95%CI:0.76-1.33)。Norrkopingの研究では1.04(95%CI:0.64-1.68)。両者をpooled analysisすると1.01(0.80-1.29)。
不利益
過剰診断を問題として提起している。
研究全般に関するコメント
1)ケベックの研究は1988年開始46,193人を年齢と地域で2:1にランダム化、ノルコーピングの研究は1987年開始9,026人をランダム化と記載されているが、十分ではない。
2)ERSPC Rotterdam のパイロットスタディは検討段階で除外された。
二つの研究ともintention-to-treat分析をすると差がないという意味では矛盾しない成績である。この二つは無作為化比較試験としながらも、研究方法と解析方法に問題がある。現段階で確定的証拠はなく、適切な説明が必要である。