有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン
文献ID:S0030621
PMID:
9718529
文献番号
25
AF
1
研究方法
症例対照研究
検査法
DRE
対象数
症例群(前立腺がんで死亡)150人、対照群299人、1:2でマッチング。
対象集団の特性
1981-1990年に前立腺がんで死亡した者(診断時40-84歳)と同一の年齢、保険加入日をマッチさせた対照者(誤差それぞれ1歳、1年未満)。
対象集団の設定条件
KPNW(ノースウェスト・カイザーパーマネント)の会員で、無作為抽出された者(症例群は1981-1990年に前立腺がんで死亡した者)。
検診群における受診率・要精検率
症例群 77% 対照群 80%
評価指標
死亡(症例群/対照群のオッズ比)
評価指標の把握
KPNWのがん登録の記録に基づく。
結果
DREを検診目的に限定し、10年間に少なくとも1度でも受診した場合、症例群/対照群のオッズ比は0.84(95%CI:0.48-1.46)。診断目的を含んだ場合、10年間に少なくとも1度の受診者オッズ比は0.84(95%CI:0.43-1.64)である。したがってDREによる死亡率減少効果をみとめられない。
不利益
記載なし。
研究全般に関するコメント
1)DREによる死亡率減少効果はみられない。
2)診断・検診目的別DREを分けて解析している。検診目的に限定した場合でも直近3年までのオッズ比が1を超えるのは、本来の検診を目的としていない検査がまぎれこんだため。検診と診断の区別の困難な例が含まれている。