有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン

文献ID:S0030619 PMID: 8049631

著者

Gilliland F/Becker TM/Smith A/Key CR/Samet JM

出典: Cancer Epidemiol Biomarkers Prev/ 3巻, 2号, 105-11頁/ 発行年 1994年

文献番号

23

AF

1

研究方法

時系列研究

検査法

DRE (検診導入と、発症率、死亡率の時系列推移を検討)

対象数

10,387人

対象集団の特性

明確な記載なし(50-75歳以上?)。

対象集団の設定条件

ニューメキシコ、一般住民。

検診群における受診率・要精検率

1990年以前にはPSAによる診断例はない。全体の受診率(数)は不明だが、1973-1991年に発見された前立腺がんのうち検診発見がんの割合は13.0%から41.2%に増加している。

評価指標

前立腺がんのステージの割合の推移、死亡率の推移。

評価指標の把握

国家のがん登録データ、死亡診断書。

結果

前立腺がんのうち、スクリーニングによって発見された割合は、1969-1972年の13%から1988-1991年に41%へと3倍に増加した。年齢調整した人口10万人あたりの罹患率は、この間に66.3人から122.3人まで増加した。限局性前立腺がんは77.5%から85.4%に増加し、遠隔転移がんは21.2%(論文中の記載では21.7%)から9.8%へと減少した。年齢調整した前立腺がんの人口10万人あたりの死亡率は、1978-1982年の23.0人から1988-1991年の21.6人と6.1%減少した。死亡率の減少は、遠隔転移がんが減少し、早期がんが増加したステージ変化と一致しており、前立腺がん検診の普及を反映している可能性がある。

不利益

特に記載なし。

研究全般に関するコメント

5年生存率が向上しているが、早期がんに対する根治的切除術の頻度の増加、根治的切除術に伴うステージ変化(ウィルロジャーズ現象)、先行期間の偏り(リードタイム・バイアス)、罹病期間の偏り(レングスタイム・バイアス)など、いろいろな要因の可能性がある。この結果から因果関係があると明言することには注意が必要である。

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