有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン

文献ID:S0024460 PMID: 1730119

著者

Sobue T/Suzuki T/Matsuda M/Kuroishi T/Ikeda S/Naruke T

出典: Cancer/ 69巻, 3号, 685-92頁/ 発行年 1992年

AF

4

研究方法

その他

検診方法

胸部XRと高リスク群への喀痰細胞診

対象数

検診発見がん42例、外来発見がん27例

対象集団の特性

受診者の特性(性・年齢・喫煙状態)、診断方法(組織学的or細胞学的)、臨床病期分類の方法に関して、両群で有意差なし

対象集団の設定条件

外科的治療を受けなかったStage Iの肺がん症例。(ただし検診発見症例の81%および外来発見症例96%は、化学療法あるいは放射線療法を受けている)

評価指標

5年生存率、累積死亡率

評価指標の把握

患者カルテ

結果

検診発見症例は診断後122ヶ月以内、外来発見症例は67ヶ月以内に全員死亡。うち、肺がんによる死亡は検診群80%、外来群81%。平均生存期間は検診群25ヶ月、外来群13ヶ月であり、5年生存率は検診群14.3%、外来群3.7%で有意差あり。一方、肺がん以外の死因による死亡例に限定すると、診断後5年間の累積死亡率は両群で有意差なし(検診群:24.6%、外来群:19.2%)。

不利益

過剰診断

研究全般に関するコメント

5年生存率に有意差があることからリードタイムバイアスおよびレングスバイアスが影響している可能性はあるが、検診群のStage I症例でも5年以内に85%以上は死亡していること、および肺がん以外の死因では検診群と外来群の累積死亡率に差がないことから、胸部X線検査と高危険群に対する喀痰細胞診併用法による検診発見症例における過剰診断バイアスはかなり小さいと考えられる。

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