（旧版）科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

Evidence Level

II

目的

ランダム化比較試験により，補助化学放射線療法，補助化学療法の有効性を検討する。

研究施設/組織

The European Study Group for Pancreatic Cancer (ESPAC) (University of Birminghamなどヨーロッパの53施設)

研究期間

1994〜2000年

対象患者

膵癌切除後の289人

介入

289人はtwo-by-two factorial designで，化学放射線療法 (5-FU併用体外照射)，化学療法 (5-FU，folinic acid併用療法) をランダムに割り付けられた (化学放射線療法73人，化学療法75人，化学放射線療法＋化学療法72人，補助療法なし69人)。

主要評価項目

生存期間

結果

5年生存率は，化学放射線療法あり: 10%，なし: 20% (P＝0.05)，化学療法あり: 21%，なし: 8% (P＝0.009) となり，化学療法が有意に良好な成績であった。

結論

膵癌切除例に対する補助化学療法は有意な延命効果を示したが，補助化学放射線療法の成績は不良であった。

作成者

上野秀樹，奥坂拓志

コメント

ESPAC 1の最終報告。今回はtwo-by-two factorial design部分のみを解析し，補助化学療法 (5-FU＋leucovorin) の延命効果を示した。