(旧版)科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

文献ID:S0020384 PMID: 9780986

著者

Demeure MJ/Doffek KM/Komorowski RA/Redlich PN/Zhu YR/Erickson BA/Ritch PS/Pitt HA/Wilson SD

出典: Surgery/ 124巻, 663-9頁/ 発行年 1998年

Evidence Level

IV

目的

切除膵癌症例に対する術後化学放射線療法の効果を生存率と,Stage I 症例のリンパ節のK-ras変異の有無で比較する。

研究施設/組織

ウィスコンシン大学関連の2病院

研究期間

1984〜1997年

対象患者

上記関連病院であるFroedtert Memorial Lutheran Hospital あるいはJohn Doyne Hospitalで,上記期間に切除された膵癌61例 (Stage I: 29例,Stage III: 32例)
Stage I 症例25例のリンパ節についてPCRを行い,K-rasの有無を判定して陽性群における化学放射線療法の効果についても検討

介入

体外照射: 5,040〜5,400cGy,増感剤として5−FU iv/div

主要評価項目

生命予後

結果

・全体 (n=61):          生存中央値
 術後補助療法 (+) 30例    24.2ヵ月
 術後補助療法 (+) 31例    16.9ヵ月   P<0.05

・Stage I (n=29):        生存中央値
 術後補助療法 (+) 14例    24.8ヵ月
 術後補助療法 (+) 15例    17.1ヵ月   P<0.01

・Stage III (n=32):         生存中央値
 術後補助療法 (+) 30例    18.6ヵ月
 術後補助療法 (+) 31例    15.2ヵ月   n.s.

・Stage I 29例中,26例でリンパ節採取 (組織学的転移なし)。
 このうち,17例のリンパ節でK-ras変異陽性 (68%)。

・Stage I,K-ras (+) (n=17)   生存中央値
 術後補助療法 (+) 6例     24.4ヵ月
 術後補助療法 (+) 11例     18.5ヵ月  P<0.05

結論

Stage III 症例では無効だったが,Stage I 症例ではEBRTは有意に平均生存中央期間を延長した。
Stage I 症例中,リンパ節のK-ras陽性だった微小転移例でも,EBRTは患者の生存中央期間を延長した。
EBRTは術後補助療法として有用であり,Stage I 切除例に用いるべきである。

作成者

下瀬川 徹,石川 治

コメント

後ろ向きコホート研究。
Stageに分けて,放射線補助療法の有用性を調べている点が特徴的。
Stage I 症例では,切除リンパ節K-ras変異陽性例でIORTの予後への影響を調べている点も特徴。

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