(旧版)科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

文献ID:S0020259 PMID: 1657839

著者

Tepper JE/Noyes D/Krall JM/Sause WT/Wolkov HB/Dobelbower RR/Thomson J/Owens J/Hanks GE

出典: Int J Radiat Oncol Biol Phys/ 21巻, 1145-9頁/ 発行年 1991年

Evidence Level

III

目的

局所進行膵癌に対する術中照射と化学療法併用外部照射の有効性と安全性を検討する。

研究施設/組織

Radiation Therapy Oncology Group

研究期間

1985〜1988年

対象患者

組織学的に証明された局所進行膵癌86例 (15例が開腹所見で転移を認め,解析対象となったのは51例)

介入

術中照射の線量は20Gy,外照射は1回1.8Gy,週5回,総線量50.4Gy。化学療法は5-FU 500mg/m2を放射線治療の最初の3日間に投与した。

主要評価項目

生存期間,増悪までの期間,再発形式,有害事象

結果

80%の症例で予定通りの5-FUが投与された。
18ヵ月生存率は9%であった。局所制御の定義は評価するためには困難であった。
急性期の術後の有害事象は,grade 3以上は12%であった (創傷離開: 4%,瘻孔: 2%,出血: 2%,腎臓: 2%,感染: 4%,その他: 4%)。急性期の放射線治療の有害事象の主なものは,上部胃腸症状 (主に嘔気と外照射による体重減少) であり,grade 3は12%であった。死亡に至った重篤なものは2例認め,1例は十二指腸潰瘍からの出血,もう1例は術中照射11ヵ月後に胆道閉塞を認めた

結論

多施設においての術中照射の安全性は示せたが,有効性において従来からの治療に比して術中照射の利点は示せなかった。

作成者

伊藤芳紀,根本建二

コメント

よく計画された多施設臨床試験である。術中照射の安全性は認められたが,局所進行膵癌において術中照射の有効性は示せなかった。

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