（旧版）科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

Evidence Level

II

目的

膵癌患者に対して，5-FU/BCNU併用療法が無治療例と比較して，生存期間とQOLの改善に寄与するかどうかを検討する。

研究施設/組織

Department of Surgical Gastroenterology D, Herlev Hospital, and Ultrasonic Laboratory, Gentofte Hospital, University of Copenhagen, Copenhagen, Denmark

研究期間

1974年8月〜1978年1月

対象患者

膵癌患者40例 (5-FU/BCNU併用療法群20例，無治療群20例)

介入

5-FU/BCNU併用療法: 5-FU 10mg/kg静注，BCNU 40mg/m²静注，5日間，1ヵ月ごとに繰り返す。
無治療群: 生理食塩水を上記と同様のスケジュールで投与。
両群とも入院の上，終末期までに行う。

主要評価項目

生存期間

結果

生存期間: 5-FU/BCNU群で13週 (中央値) に対して，無治療群14週 (中央値) で，両群間に有意な差はなかった (P＝0.80)。腫瘍の増殖速度，体重減少率，入院期間，鎮痛剤の必要量は両群間に有意な差はなかった。

結論

膵癌患者に対する5-FU/BCNU併用療法は，無治療群と比較して，生存期間，腫瘍の増殖速度，QOLの改善に対する有用性は示されなかった。

作成者

池田公史，奥坂拓志

コメント

ランダム化比較試験にて進行例 (少数例) に対する化学療法の延命効果を検討した報告。