（旧版）科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

Evidence Level

II

目的

非切除膵癌に対するfluorouracil，cyclophosphamide，metho-trexate，vincristinの多剤併用療法の効果を検討。

研究施設/組織

Lewisham Hospital, Kent & Canterbery Hospital, Isle of Thanet District Hospital，多施設共同研究

研究期間

記載なし

対象患者

切除不能膵癌 (対照群: 19例，化学療法群: 21例。計40例)

介入

5-FU，cyclophosphamide，methotrexate，vincristineを5日間経静脈的投与。その後，5-FU，mitomycinを3-5日間投与を6週間間隔で繰り返す治療群と非治療群とのランダム化比較試験 (RCT)

主要評価項目

平均生存期間 (MCT)，有害事象

結果

50%生存期間
化学療法群 : 対照群＝44wks : 9wks (P＝0.00006)
　転移のない例
　　化学療法群 : 対照群＝48wks : 12wks (P＝0.001)
　転移のある例
　　化学療法群 : 対照群＝30wks : 7wks (P＝0.048)

有害事象に関しては悪心のみが治療群で増加した。

結論

本化学療法は忍容性にも優れ，生存期間を有意に延長する。

作成者

船越顕博，澄井俊彦

コメント

全例に試験開腹を施行しているが組織学的に確診されていない例も14例ある。肝転移の有無はCTではなく肝シンチで経過観察されている。