（旧版）科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

Evidence Level

II

目的

進行膵癌に対してgemcitabine (GEM) とfluorouracil (5-FU) の併用療法がGEM単剤の化学療法より優れているかを検討する。

研究施設/組織

ECOG

研究期間

1998年4月〜1999年11月

対象患者

組織学的に診断された治癒切除不可能な進行膵癌327例

介入

ランダム化，第III相臨床試験
GEM (1000mg/m²/週) と5−FU (600mg/m²/週) の3投１休併用群160例とGEM単剤群 (1000mg/m²，3投1休) 162例を比較。

主要評価項目

Primary end point: 生存期間
Second end point: 無増悪期間，奏効率

結果

【50%生存期間】
単剤群 : 併用群＝5.4ヵ月 : 6.7ヵ月 (P＝0.09)

【無増悪期間】
単剤群 : 併用群＝2.2ヵ月 : 3.4ヵ月 (P＝0.22)

【奏効率】
単剤群 : 併用群＝5.6% : 6.9%

主な有害事象は血液学的異常または消化器症状で両群間に有意差はなかった。

結論

進行膵癌に対しGEMに5-FUを併用しても，GEM単剤による化学療法の生存期間を延長することはできなかった。

作成者

船越顕博，澄井俊彦

コメント

併用群がPSが「1」の例数，および膵体部の例数が多いなどのランダム化によるアンバランスがある。