(旧版)科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

文献ID:S0020169 PMID: 12755843

著者

Pellise M/Castells A/Gines A/Sole M/Mora J/Castellvi-Bel S/Rodriguez-Moranta F/Fernandez-Esparrach G/Llach J/Bordas JM/Navarro S/Pique JM

出典: Aliment Phamacol Ther/ 17巻, 1299-307頁/ 発行年 2003年

Evidence Level

IV

目的

膵癌診断におけるK-ras遺伝子変異解析の有用性をEUS-FNA下で採取した検体で検討する。

研究施設/組織

Department of Gastroenterology, Institut de Malalties Digestives, Hospital Clinic,Barcelona, Spain

研究期間

2001〜2002年

対象患者

同期間に膵腫瘍に対しEUS-FNA下吸引細胞診を行った症例。膵癌33例,対照24例 (神経内分泌腫瘍6例,膵管内乳頭粘液腫5例,嚢胞腺腫5例,腫瘤形成性膵炎5例,転移性膵腫瘍2例,リンパ腫1例)

介入

EUS-FNA下で採取した検体でのK-ras遺伝子変異

主要評価項目

細胞診の診断能,K-ras遺伝子変異解析による診断能

結果

57例136検体中,細胞診は67検体で,遺伝子解析は133検体で診断可能であった。
細胞診の診断能は感度97%,特異度100%,遺伝子解析は感度73%,特異度100%であった。十分な検体が採取できない場合には,両者を組み合わせることにより正診率は98%まで上昇する。

結論

膵癌の診断においてEUS-FNA下で採取した検体による細胞診は非常に有用な診断法である。しかし,採取される検体量が少ない時は,K-ras遺伝子変異解析を追加することが膵癌診断の戦略として重要である。

作成者

山雄健次,田近正洋

コメント

膵癌の診断に関する細胞診とK-ras遺伝子変異解析の診断能のケースコントロール研究である。

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