(旧版)科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版
文献ID:S0020156
PMID:
15056091
Evidence Level
II
目的
膵癌のstagingおよびresectabilityを判定する上において,EUS,helical CT,MRI,血管撮影のいずれが効果があるかをprospectiveに評価。
研究施設/組織
Department of Gastroenterology, University of Barcelona, Barcelona, Catalonia, Spain
研究期間
1995年10月〜2000年3月
対象患者
膵癌の疑いにて,彼らの施設に入院し,開腹術の適応と判断された62症例
介入
術前評価のため,EUS,CT,MRI,血管撮影を行い,原発腫瘍,局所進展,リンパ節転移,血管浸潤,遠隔転移,TNM stage,resectabilityを診断し,手術所見と比較した。
主要評価項目
各種検査による,各因子の正診率
結果
helical CTは,原発腫瘍の範囲,局所進展,血管浸潤,遠隔転移,TNM stage,resectabilityを評価する上で,最も高い正診率を認めた。一方,EUSは,腫瘍径,リンパ節転移の評価で,最も正診率が高かった。決定解析によると,resectabilityを評価する最前の方法は,まず,CTもしくはEUSを評価し,切除の可能性のある症例に対して,他の検査を追加することとされた。コストを最小にとどめるためには,CTにて切除の可能性が示唆された患者に対して,EUSにて確認するのが望ましい方法であった。
結論
helical CTとEUSは,膵癌のstagingにあたって最も有用な検査である。切除の可能性のある症例においては,helical CTとEUSが最も信頼できる,コストのかからない診断法と考えられた。
作成者
阪井 満,井上総一郎
コメント
前向きな検討で,方法としても妥当と考えられる。