(旧版)科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版
文献ID:S0020131
PMID:
9671952
Evidence Level
IV
目的
術前・術後の血清CA19-9値の有用性について明らかにする。
研究施設/組織
名古屋大学第二外科
研究期間
不明瞭
対象患者
膵癌148例
介入
なし
主要評価項目
術前・術後のCA19-9値,術中膵切除断端のCA19-9・CEA迅速免疫染色
結果
Stage I,II,IIIの切除可能患者の血清CA19-9値は1,344U/mL以下でStage IV患者では5-32,340U/mLであった。術後生存期間はCA19-9術前値2,000U/mL以下であった患者の方がそれ以上であった患者より優れていた。CA19-9術前値2,000U/mL以上で切除可能であった15例は2年以内に再発死亡 (特に肝転移) していた。術中膵切除断端のCA19-9・CEA迅速免疫染色は膵切除断端の癌浸潤の判定に有用であった。
結論
術前・術後のCA19-9値は切除可能性,切除後の生存予測に有用で,術中膵切除断端のCA19-9・CEA迅速免疫染色は膵切除断端の癌浸潤の判定に有用であった。
作成者
羽鳥 隆,白鳥敬子
コメント
術後長期の経過には触れていないが,血清CA19-9測定が切除後の再発予測に有用であることを示唆している。