有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

文献ID:S0016666 PMID: 9616321

著者

Atkin WS/Hart A/Edwards R/McIntyre P/Aubrey R/Wardle J/Sutton S/Cuzick J/Northover JM

出典: Gut/ 42巻, 560-5頁/ 発行年 1998年

方法

S状結腸鏡

AF(Analytic Framework)

4

研究方法

その他

検診方法

軟性S状結腸内視鏡(FS)によるスクリーニング

対象数

検診群1,749人,うち受診数は1,306人(本文や表で記載が一致しない).
対照群12,550人.

受診率

事前の調査で検診受診に肯定的な人を把握.ここから検診群と対照群を設定.
検診群の受診率74.7%.

精検受診率

95%

対象集団の特性

Welwyn Garden Cityにおける検討(受診数536人)では55-64歳.
Leichesterにおける検討については記載なし.

対象集団の設定条件

英国での検討.Welwyn Garden Cityの2つの一般開業医とLeichesterの20の一般開業医に登録された患者.事前の調査で検診受診に肯定的な人を把握し,無作為に検診群と対照群に割り付けた.

評価指標

FS検診に関する研究への参加状況・病変発見率・偶発症発生頻度・不安や痛みなども調査.

評価指標の把握

痛み・不安・出血を含んだ不利益については,検査直後には文書にした調査票で,3ヶ月後に調査票を郵送して調査した.

結果

検診群の受診率74.7%.がんは8人(0.6%),ポリープは288人(22.1%)発見された.出血40人(3%),うち14人はポリペクトミー後で,また生検後の出血で1人が入院した.
心筋梗塞1人,迷走神経反射1人,下痢の持続1人及び腺腫に対する手術後の死亡1人発生.
検診のFSに対して13%は中等度の痛みを,1.4%は強い痛みを報告した.

不利益

出血40人(3%),うち14人はポリペクトミー後で,また生検後の出血で1人が入院した.
心筋梗塞1人,迷走神経反射1人,下痢の持続1人及び腺腫に対する手術後の死亡1人発生.
検診のFSに対して13%は中等度の痛みを,1.4%は強い痛みを報告した.

研究全般に関するコメント

FSによる検診の実施可能性を検討するために,検診受診に肯定的な人を検診群と対照群に無作為に割り付け,FS検診の検診受診率・病変発見率・偶発症発生頻度などを調査した報告.FS検診は概ね実施可能と考えられるが,RCTによる死亡率減少効果や不利益の確実な評価が必要と著者らは述べている.

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