有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
文献ID:S0016665
PMID:
10365903
方法
S状結腸鏡,全大腸内視鏡
AF(Analytic Framework)
S状結腸鏡:4,5,6
全大腸内視鏡:5
研究方法
無作為化比較対照試験
検診方法
軟性S状結腸内視鏡検査(FS)
対象数
検診群400人
対照群399人
受診率
検診群400人中324人(81%)が軟性S状結腸内視鏡によるスクリーニングを1983年に受診.1996年に両群に対し大腸検査(全大腸内視鏡検査を勧めた)を行った.
検診群は1983年のスクリーニング検査を受診し,かつ,1996年における生存者277人を対象とし,210人(76%)が受診した.
対照群は,1996年における生存者356人を対象とし,241人(68%)が受診した.
対象集団の特性
50-59歳の男女
対象集団の設定条件
Telemark在住の50-59歳の男女9,957人から検診群と対照群を抽出
評価指標
大腸がん死亡・罹患
評価指標の把握
病院のファイルとがん登録(National Cancer Registry of Norway)
結果
検診群400例からは2人の大腸がん(いずれも近位結腸)が,対照群399人からは10人の大腸がん(近位結腸7人・直腸からS状結腸3人)が診断された(大腸がん罹患の相対危険度0.2;95%CI 0.03-0.95).検診群に割り付けられたがスクリーニング検査を受けなかった1人は大腸がんで死亡し,対照群では3人が死亡した(有意差はなし).
不利益
スクリーニングに用いたFSに加えて,引き続き行われた全大腸内視鏡検査やポリペクトミーも含めた偶発症を調査した.432人のFSと788人の全大腸内視鏡検査と1,734人のポリペクトミーを行い,偶発症は前処置による水中毒の1人のみだった.
研究全般に関するコメント
SS検診は将来の大腸がん罹患を低下させる効果があることが示され,また,大腸がん死亡率減少の可能性も示唆した.