有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

文献ID:S0016662

著者

村上良介/今西 清/大谷 透/中西克己/石川秀樹/日山與彦/津熊秀明/藤本伊三郎/三木信夫/大島 明

出典: 日消集検誌/ 94巻, 63-8頁/ 発行年 1992年

方法

便潜血検査免疫法

AF(Analytic Framework)

3

研究方法

検査精度

検診方法

RPHA法,大部分はこれと他の便潜血検査免疫法反応を併用(ラテックス凝集法,モノヘム法,RPHA法スティック型)

対象数

検診:男24,418人,女9,168人→検診発見がん151人,ほぼ同時期の外来診断がん237人

精検受診率

82%

対象集団の特性

40歳以上の職域検診受診者

対象集団の設定条件

大阪府立成人病センター(1986-1989年)

評価指標

病院発見大腸がん症例と検診発見大腸がん症例を臨床病理学的に比較.さらに大阪府がん登録により追跡を行って,検診の精度を算出する.

評価指標の把握

検診受診後に大腸がんと診断された者の把握は,1987年末までの大阪府在住の初回検診受診者全員を大阪府がん登録との記録照合により追跡する.

結果

大腸がん発見患者数151人(0.45%),大腸ポリープ発見者数611人(1.82%),陽性反応適中率6.3%,感度92.9%,特異度95.8%,検診発見がん2年生存率98%,検診発見進行がん2年生存率84%.
検診発見がんと外来診断がんの臨床病理学所見の比較:検診発見がんは,より上部を占拠し,病気がより早く,深達度がより浅く,より根治的な治療を受けていた.

不利益

記載なし

研究全般に関するコメント

検診の早期発見能力を明らかにすることを目的としており,検診の精度,検診発見がんの生存率,検診発見がんと外来診断がんとでの占拠部位・治療方法・病型・深達度についての比較によって,早期発見能力のあることを考察している.検診発見がんと外来発見がんの生存率の比較についても考察されており,リードタイムバイアス,レングスバイアス,セルフセレクションバイアス等の各種バイアスの存在は認識されており,今後,検診の死亡率の減少効果を評価するための疫学的研究を行う必要性についても考察されている.

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