有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
文献ID:S0016644
PMID:
10593348
方法
注腸X線検査
AF(Analytic Framework)
1
研究方法
症例対照研究
検診方法
直腸S状結腸鏡
注腸X線検査
便潜血検査化学法 (Hemoccult)
対象数
症例群:大腸がん死亡218人
対照群:435人は,Olmsed郡在住者で,Mayo ClinicあるいはOlmsted Medical Centerの受診歴があり,症例とは性,症例が診断された医療機関,地域の医療システムに登録されてからの期間,±3歳の年齢をマッチされ,1:2の比率でサンプリングされて選択された.
対照は症例死亡時にも生存し,結腸切除あるいは直腸切除を受けた者と症例の診断日以前に大腸がんの診断を受けたものを除く.
受診率
硬性S状結腸内視鏡検査受検率 (10年):症例10.6%,対照9.9%
注腸X線検査受検率 (10年):症例5.5%,対照5.7%
SCS+BE受検率 (10年):症例2.8%,対照3.7%
FOBT受検率 (3年):症例12.4%,対照10.1%
精検受診率は不明
対象集団の特性
45歳以上の男女
症例の平均年齢 72.2歳 (45-95歳),女性の比率 57.8%
対照の平均年齢 72.1歳 (45-97歳),女性の比率 57.9%
対象集団の設定条件
Olmsed郡在住者,Mayo ClinicあるいはOlmsted Medical Centerの受診歴があり
評価指標
大腸がんによる死亡リスクの低減
評価指標の把握
Rochester住民の大腸がん症例リスト組織登録,死亡票など
結果
硬性直腸S状結腸内視鏡検査の10年以内の受診でOR0.89 (95%CI, 0.47-1.66)
FOBTの1年以内の受診でOR0.38 (95%CI, 0.13-1.08)
FOBTの2年以内の受診でOR0.61 (95%CI, 0.30-1.26)
BEの10年以内の受診でOR=(0.31-1.48)
PS+BEの10年以内の受診でOR=(0.15-1.38)
直腸がんと遠位結腸がん死亡のリスクを下げる:オッズ比0.05 (95%CI, 0.01-0.43)
他の部位の結腸がん死亡でもリスクを下げる傾向あり:0.36 (95%CI, 0.11-1.20).
便潜血反応と直腸指診は効果なし.
不利益
FOBTはがんに非特異的,偽陽性率が高く,そのため不要な大腸内視鏡検査が必要となり,費用がかかる.
研究全般に関するコメント
3法いずれも有効性示されずと結論.検診受診率が低いことが,差を検出できない要因としてあげられている.