有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
文献ID:S0016641
PMID:
11591961
方法
注腸X線検査
AF(Analytic Framework)
3
研究方法
検査精度
検診方法
注腸X線検査(二重造影法)と全大腸内視鏡検査の比較
対象数
注腸X線検査1,389件(真陽性がん39人,偽陰性がん8人)
全大腸内視鏡検査1,081人(真陽性がん36人,偽陰性がん1人)
対象集団の特性
年齢の中央値は60歳,55%が女性
対象集団の設定条件
英国
評価指標
感度
評価指標の把握
病院の電算化された診療録での調査
結果
注腸X線検査群ではがんは3.5%に,1cm以上の腫瘍性ポリープは1.6%に発見された.
全大腸内視鏡検査群ではがんは3.4%に,1cm以上の腫瘍性ポリープは7.7%に発見された.
がんに対する感度は,注腸X線検査83%,全大腸内視鏡検査97.5%だった.
1cm以上の腫瘍性ポリープに対する感度は,注腸X線検査21.7%,全大腸内視鏡検査91.4%だった.
不利益
注腸X線検査群で,S状結腸内視鏡検査を行った1人において穿孔が生じた.
研究全般に関するコメント
大腸の腫瘍性病変を示唆する症状を有する患者には,全大腸内視鏡検査による精査を行うことで,注腸X線検査の場合より,がんや1cm以上の腫瘍性ポリープを高い確率で正診できる.追跡調査により注腸X線検査と全大腸内視鏡検査の偽陰性例を把握し,それぞれの感度を算出した検討.追跡調査の期間は2年間(1年後と2年後に電算システムで調査).対象とした疾患は大腸がんと10mm以上の腫瘍性ポリープ.