有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

文献ID:S0016627 PMID: 8340943

著者

Winawer SJ/Flehinger BJ/Schottenfeld D/Miller DG

出典: J Natl Cancer Inst/ 85巻, 16号, 1311-8頁/ 発行年 1993年

方法

S状結腸鏡+便潜血検査化学法

AF(Analytic Framework)

1

研究方法

コホート研究

検診方法

硬性S状結腸内視鏡検査(RS)と便潜血検査化学法(FOBT)の併用法
RS単独法.RSは25cmまで観察した.

対象数

検診群:RSとFOBTの併用法(Trial 1は7,168人,Trial 2は5,806人)
比較対照:RS単独法(Trial 1は2,109人,Trial 2は6,673人)

対象集団の特性

40歳以上の検診受診者で,男女どちらも含む.Trial 1は非初回受診者,Trial 2は初回受診者.

対象集団の設定条件

1975年3月から1979年7月にPreventive Medicine Institute-Strang Clinic を訪れた40歳以上の人.大腸がん既往者とヘルスプランの団体保険加入者は除外.

評価指標

大腸がん死亡率(1975-84年)

評価指標の把握

1)研究参加者の現在の状態と診療歴を調査(具体的な方法は不明).
2)手術を受けたがん症例:切除標本と診療録から,MSKCCの病理医が診断とDukes分類をレビュー
3)981例の死亡例:死亡診断書・診療録・剖検報告書

結果

Trial 1の目的はFOBT併用検診の実施可能性を検討することであり,一方,Trial 2の目的はFOBT併用検診の効果を検討することである.
FOBTの陽性率はTrial 1で1.4%・Trial 2で2.6%,精検受診率は77%.初回発見率は,Trial 1のRS+FOBT群0.15%,RS単独群0.05%.Trial 2のRS+FOBT群0.45%,RS単独群0.25%.
Trial 2での大腸がん死亡率(大腸がん死亡数/人年/1000)は,RS+FOBT群0.36,RS単独群0.63とRS+FOBT群の死亡率が低かった(P=0.053;片側検定).また,いずれの年齢階級(40歳代・50歳代・60歳代・70歳以上)においてもRS+FOBT群の死亡率がRS単独群より低かった.一方,Trial 1での大腸がん死亡率(大腸がん死亡数/人年/1000)は,RS+FOBT群0.47,RS単独群0.41と明らかな差は認めなかった.

不利益

記載無し

研究全般に関するコメント

Trial 2での結果は統計学的に有意ではないものの,P値は0.053と低い値であった.
また,2回目からの受診率が急速に低下していた事(研究参加時のFOBT受診率は70%と高いが,1年後20%,2年後16%と急速に低下.RS受診率も研究参加時はほぼ100%が,その後急速に低下していた)も考慮すると,RS検診にFOBTを併用することで,より多くの大腸がん死亡減少効果を期待できる可能性が高いと思われる.
この研究では,上記の他に発生したがん(検診発見もそれ以外も全て含む)の進行度や予後も検討している.Trial 2において,RS+FOBT群の5年生存率は70%,RS単独群は48%とRS+FOBT群で有意に高くなっていた(P<0.001).

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