有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

文献ID:S0016549 PMID: 8074123

著者

Demers RY/Parsons KC

出典: Am J Ind Med/ 26巻, 33-45頁/ 発行年 1994年

方法

S状結腸鏡+便潜血検査化学法

AF(Analytic Framework)

9

研究方法

コホート研究

検診方法

直腸指診と便潜血検査3日法と軟性S状結腸内視鏡(60cmまで挿入)による検診を5回(1981年,1982年,1985年,1988年,1991年)提供した.ただし,経過把握は1990年までしかできていないため,1991年のデータは本論文の検討に含まれていない.

対象数

検診群:975人(1,641人中1回以上受診したもの)
対照群:666人(1,641人中1回も受診していないもの)

対象集団の特性

全員男性.検診プログラムの開始時の年齢は,19歳以下29人,20-39歳293人,40-59歳255人,60歳以上101人.対照群からは大腸がん9例(うち浸潤がん7人),検診群からは大腸がん1人(浸潤がん1人)を認めた.60%は2回以上検診を受診し,毎回検診を受診した者は14.5%だった.検診群において,最初に検診を受けた時期をみると,初回(1981年)84.2%,2回目(1982年)2.6%,3回目(1985年)10.2%,3回目(1988年)3.0%だった.精検受診率は記載なし.

対象集団の設定条件

デトロイト地区で働く白人男性.職業は,pattern and model maker.

評価指標

大腸がん(浸潤がん)罹患率

評価指標の把握

Metropolitan Detroit Cancer surveillance Systemと連結し,1990年までのがん症例を把握した.また,Michigan Death Tapeとも連結し,1980年から1991年3月までのがん症例を把握した.

結果

検診を受診した群 (8,748人年) からは大腸がん3人 (うち浸潤がん3人) が,検診を受診しなかった群 (5,765人年) からは大腸がん9人 (うち浸潤がん7人) が発見された.受診群に対する未受診群の浸潤がん罹患の相対危険度は3.46 (P=0.055),上皮内がんも加えた大腸がん罹患の相対危険度は4.45 (P=0.02) であった.なお,初回検診発見がん2人を除くと,浸潤がん罹患の相対危険度は10.39 (95%CI, 1.94-55.87),大腸がん罹患の相対危険度は13.35 (95%CI, 2.73-62.29) となった.
標準化罹患比の検討に際しては,Surveillance,Epidemiology, End Results (SEER) から,デトロイト在住の白人男性の浸潤がん罹患率を用いた.検診未受診群の標準化罹患比は1.62,検診群は 0.21と検診群で低い傾向を認めたが,有意差はなかった.

不利益

記載なし

研究全般に関するコメント

大腸がんの高危険群とされるpattern and model makerに対して,直腸指診と便潜血検査3日法と軟性S状結腸内視鏡による検診を行い,検診による大腸がん罹患低下を調査した研究.検診未受診群は検診受診群に比較して,大腸がん罹患の相対危険度は3-13倍で,大腸がん検診の有効性を示唆する結果だった.

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