有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

文献ID:S0016532 PMID: 1736103

著者

Selby JV/Friedman GD/Quesenberry CP Jr/Weiss NS

出典: N Engl J Med/ 326巻, 653-7頁/ 発行年 1992年

方法

S状結腸鏡

AF(Analytic Framework)

1

研究方法

症例対照研究

検診方法

硬性S状結腸内視鏡検査

対象数

ケース群:硬性S状結腸内視鏡で診断されたか,肛門縁から20cm以内に存在していた腺がんによる死亡者261人 (診断時年齢45歳以上)
コントロール群:性・年齢 (±1歳)・ヘルスプランへの入会日 (±1年) をマッチさせた868人 (症例1人に対し対照4人が原則だが少ない場合もあり)

受診率

硬性S状結腸内視鏡検査受検率 Case 8.8% Control 24.2%
精検受診率は不明

対象集団の特性

45歳以上の男女
 Case age 66 (45-91) Male 59.4%
 Control age 66 (44-91) Male 58.6%

対象集団の設定条件

対象集団はKPMCPのメンバー.KPMCPに参加している3つの医療機関.

評価指標

硬性S状結腸内視鏡で診断されたか,肛門縁から20cm以内に存在していた腺がんによる死亡者.

評価指標の把握

がん登録とカリフォルニアの死亡診断書をリンクさせて死亡例を拾い上げ,診療録で組織診断・占居部位・死因を確認した.

結果

10年間における調整オッズ比 (大腸がんやポリープの病歴・大腸がん家族歴・10年間の定期健康診断の回数で調整) は0.41 (95%CI,0.25-0.69) であった.直腸指診と便潜血検査の回数で補正しても,オッズ比はあまり変わらなかった.硬性S状結腸内視鏡到達範囲外の大腸がんでは,調整オッズ比 (大腸がんやポリープの病歴・大腸がん家族歴・10年間の定期健康診断の回数で調整) は0.96 (95%CI,0.61-1.50) であった.検診間隔の検討として,2年毎に分けた分析では,各々の区間において症例の検診受診率は対照をかなり下回っていた (オッズ比は0.25-0.43).10年間で2回以上S状結腸内視鏡検診を受けた症例8人と対照106人を除いて直近のスクリーニングについての分析を行ったところ,直近の検査が9-10年前の場合はオッズ比0.12 (95%CI,0.02-0.93) で,2年前 (オッズ比0.41,95%CI,0.14-1.22) と同等 (以上) の効果を認めた.

不利益

S状結腸内視鏡検診ではがんが発見されなかったが,その後3年以内に死因となったがんが発見された人が11人いた.

研究全般に関するコメント

硬性S状結腸内視鏡検診とその到達範囲外のがん死亡を検討した調整オッズ比は1に近く,信頼性が高い.硬性S状結腸内視鏡による検診は,直腸及び遠位結腸がん死亡を約60%低下させうる.10年毎の検診はより頻度の高い検診とほぼ同等の効果かもしれない.
もし硬性S状結腸内視鏡到達範囲内にポリープなどを発見した場合には全大腸の検索を行うのであれば,より深部の腫瘍性病変が早期に発見される可能性があり,その場合調整オッズ比は1を下回ることが予想される.しかし,硬性S状結腸内視鏡検診で要精検とする基準,要精検率・精検受診率・精検方法は不明.

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